「最も過小評価されているドライバー」に選ばれた角田裕毅のRB残留は是か否か? 来季のレッドブル移籍を妨げた「確証バイアス」の存在
見過ごされた角田の成長
確証バイアスとは、自分の先入観や思い込みを肯定するために都合のいい情報のみを集めてしまう傾向のことだ。ミッチェルが感じた確証バイアスのひとつに、角田が自制心のないドライバーだという決めつけがあったという。確かに角田の無線での激しい口調は、たびたび問題視されてきた。それゆえ、レッドブル首脳陣はプレッシャーに晒されるトップチームでの角田の起用を疑問視し、ローソンの精神的な強さを優先したのではないかとミッチェルは分析する。 ただし、それはデビュー1~2年目のこと。3年目から角田の態度は徐々に落ち着き、24年シーズンは本腰を入れて改善に取り組んでいた。もちろん、トップチームのドライバーになるためでもある。RBのレーシングディレクターを務めるアラン・パルメインはその変化を認めている。 「チームメンバー以外の人たちにとって、ユウキの無線はフラストレーションを爆発させる発言ばかりが記憶に残っていると思うが、いつもは本当に冷静にマシンの感触をフィードバックしているんだ。それには私も最初は驚いたよ。確かに彼はいまでも感情を露わにすることもあり、それが弱点であることは確かだが、ユウキはいいドライバーになるために懸命に感情をコントロールすることに取り組んでいる」 24年シーズンの最終戦アブダビGPが終了した2日後の12月10日、同じアブダビで行われた合同テストでレッドブルはフェルスタッペンのマシンに角田を乗せてテストを行った。だが、レッドブルの首脳陣の意思決定のプロセスが覆ることはなかった。12月18日にレッドブルはペレスの契約解除を発表。その翌日、ローソンをRBからレッドブルに昇格させると発表した。 25年に角田の走りをレッドブルで見たかったと思う者たちにとって、今回の決定は残念なことだ。だが、まだ角田の戦いは終わっていない。 レッドブルは過去に2度、期待外れに終わったドライバーをシーズン中に交代させている。まだ一度もフル参戦を経験したことがないローソンが同じ目に遭わないとも限らない。
【関連記事】
- 【この記事の写真】2024年の角田フォト「ファンにはこんなに愛されてるのに…」ピンクのセットアップかわいすぎ! ネイマールとも仲良し…角田裕毅の素顔を写真で見る
- 【衝撃画像】「周冠宇のマシンが吹っ飛んで裏返しでコースを滑走してる…」「炎の中にドライバーがいるじゃんか…」ドライバーが九死に一生を得た瞬間など大クラッシュ史を見る
- 【レジェンド写真】マクラーレン時代のホンダとセナ、プロストがカッコよすぎ。初々しいシューマッハー、ヤンチャそうなマンセル…懐かしきF1ヒーローの雄姿を見る(20枚超)
- 【レッドブルは大損失】空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイが来季アストンマーティン入り! 輝かしきキャリアで再認識する近代F1への貢献度
- 【ドライバーの素顔】頂点を争う現役F1ドライバーに友情は成立するのか? トップと2位で接触したフェルスタッペンとノリスの場合