箕輪厚介が手掛ける“古着バー”が5月にオープン コミュニティーが生まれる“溜まり場”に
箕輪:まずは5月から1年間で売上5000万円、そこから徐々に1億円を目指す。古着に限らないが、あらゆるブームは5~7割が本当に好きな人、2~3割ぐらいが“にわか”、3割ぐらいが投機目的、と言ったバランスによって成り立つ。投機があることによってムーブメントになっていることは間違いないが、その割合が多くなると本来のファン達が離れていき、やがて投機する人もいなくなる。これこそバブルが弾ける瞬間だ。ビジネスとしてただカルチャーに乗ろうとすると、バブルが弾けた時に生き残れないだろう。
コンセプトは“ネオスナック”
お酒を飲みながら古着を買える空間に
WWD:オープン予定日や店のコンセプトは?
齋藤:「エブリシング イズ エブリシング 下北沢」の店舗をリニューアルする形で、5月1日に“古着バー”をオープンする。まだ店舗名は決まっていないし、店長も募集中だ。
箕輪:古着に関する知見が無い私がただ古着屋をやっても、それこそ“時代のブームに乗っかっただけ”みたいな形になってしまうだろう。今38歳の私も含め、普段港区で飲んでいるような40代の人達も下北沢に来ると落ち着くし、ワクワクする。かと言って古着を買うためだけに来るというのは少しハードルが高いし、バーのような雰囲気にしたいと考えた。今流行している、いわゆる“ネオスナック”のようなイメージだ。90年代の懐かしさを感じる空間で、同じ世界観を持つ古着を展開したい。お酒が飲めて、語り合って、その場にある服も買える――つい何となく行ってしまうような場所になるのが理想である。実際に私も飲みに行くし、時には“1日店長”として店に立つ予定だ。
WWD:現在店長を募集中だが、どのような人材を採用予定?
箕輪:自分がサウナを経営する中で、流行に乗って開業した店舗のほとんどは、ブームが落ち着いた頃になくなっていくのを肌で感じた。だから古着に関しても、私の“好きレベル”ではきっとダメになってしまう。そのため当初は「古着大好き!」みたいな知見のある人を店長として立てて、その人にフルベットして好きなようにやってもらおうとしたが、そう簡単に良い人材は見つからない。そこで「ファッションもコミュニティーなのでは」と考えた。ファッションが好きな人は、自分の好きな価値観や人との繋がりを共有するユニフォームのように服を選んでいる。そういった視点で考えれば、私が手がける書籍やラーメン、サウナ、オンラインサロンも基本的にはコミュニティービジネスで、自分が得意とする分野だ。その文脈で言うと、知識がなくてもファッションを楽しんでいて、気持ちの良い接客ができて、一緒に作っていくという意識が持てる人が理想だ。私のラーメン屋は家系ラーメンから始まったが、次に二郎系ラーメンを売り始めて今とても人気がある。業界的には家系の店が二郎系を出すのは邪道らしいが、箕輪家の店長はラーメン業界の人ではないし、ある意味斬新な発想で始められた。そんなふうに、固定観念に縛られていない人の方が面白いことができると考えている。