草なぎ剛出演の「エンゲージ」CMソングは?
鮮やかな青色のジャケットスーツを身にまとった草彅剛が「どうも~!」の掛け声から40名以上のさまざまな職業の人たちとともに明るく元気に歌い踊る、エン・ジャパン株式会社が運営する国内最大級の総合求人サイト「エンゲージ」のCM「エンゲージのうた(登場)」篇が、8月19日より関東、中京、関西、福岡エリアでオンエア。 このCMで草彅たちが歌っているのは、歌謡曲「隣組」を替え歌にしたもの。芸術家の岡本太郎の父、岡本一平が作詞を、飯田信夫が作・編曲を手掛け、徳山璉(たまき)の歌唱で、1940年に発表されました。 「隣組」は、戦時体制下に国民の統制を進め、隣近所の結束を図る目的で町内会組織の下部組織として設けられた「隣組」制度を宣伝・啓発するために作られた歌でしたが、「とんとん とんからりと隣組」で始まり、「格子を開ければ 顔なじみ」「廻してちょうだい 回覧板」という歯切れのよい歌詞と、リズミカルで陽気な曲調ということもあって、敗戦後に制度そのものは廃止となったものの、バラエティ番組やCMソングなどでさまざまなヴァージョンが用いられてきました。 特に有名なのが、1978年から放送されている『ドリフ大爆笑』のオープニング・テーマ。オリジナルをマーチ調にアレンジして、スーツ姿のザ・ドリフターズの面々がポンポンを持ったレオタード姿のスクールメイツをバックに「ド・ド・ドリフの大爆笑」と歌って踊るシーンは、さまざまなパロディも生み出しました。サカナクションのヒット曲「新宝島」のミュージック・ビデオでも『ドリフ大爆笑』のオープニングをオマージュしていることがうかがえます。 そのほか、70年代にはのぼりを持ったイヌ・サル・キジを引き連れた桃太郎一行が「メ・メ・メガネのよいメガネ~」と歌うメガネドラッグや、2010年には吉高由里子が「ト・ト・トリスのハイボール」と歌うサントリー「トリスウイスキー」、2022年には「しゅ・しゅ・修理の東京ガス」と流れる安田顕出演の東京ガスなどのTV-CMソングとしてよく使われていますが、「エンゲージ」のCMソングを含め、いずれも『ドリフ大爆笑』オープニング・テーマのアレンジをもとにしたものと思われます。 また、2016年公開のアニメ映画『この世界の片隅に』の挿入歌として、シンガー・ソングライターのコトリンゴがオリジナル版「隣組」をアレンジカヴァー。こちらは、2019年リリースの『「この世界の片隅に」さらにいくつものサウンドトラック』(写真)で聴くことができます。