裏金問題で閣僚交代 “パー券”購入企業の胸の内【WBS】
自民党安倍派の「裏金問題」で揺れる岸田政権ですが、14日、松野官房長官ら4人の閣僚が交代しました。こうした中、安倍派のパーティー券を複数回にわたって購入した企業の役員が、テレビ東京の取材に応じ、「裏金作り」への憤りを語りました。 今回取材に応じてくれたのは、関西にある建設関連企業の役員。 「参加し始めたのは、5~6年前ぐらいから」(安倍派のパーティーに参加した建設関連企業の役員)
こちらは2022年5月に男性が参加した東京・港区で開かれた安倍派のパーティーの様子です。岸田総理や安倍元総理も参加していました。さらに、今まさに裏金問題の渦中にある西村前経産大臣と写真撮影も。 「参加する側は会ったり、しゃべったりとか名刺交換とか写真を撮りたい」(建設関連企業の役員) このときに届いたパーティーの案内を見せてもらうと「清和政策研究会は岸田内閣を支える政策集団」「ぜひともご後援ください」などと書かれていて、その下には会費2万円の文字があります。 「一部では裏金にするのにばれてしまうから現金でお願いすることもあるのか」( 金子水紀記者) 「私自身はありません。ただ、現金で払ってくださいという秘書もいて、裏金は否定できないと思う。いくらもらったかというのが特定されにくいのがパーティー券なのかなと思う」(建設関連企業の役員) 男性は自民党を支援してきた企業として、今回の裏金疑惑に不信感をあらわにします。 「いろいろな人たちから応援していただいている金を使って、政治活動をするわけだから、そこに関しては裏金という汚い手を使わずに、しっかりと表の金で活動していただきたいというのが個人的な願い」(建設関連企業の役員) こうした中、岸田政権は14日から新体制になりました。 松野官房長官など、安倍派に所属する4人の閣僚が辞表を提出。新たな官房長官には岸田派の林前外務大臣が就任しました。今回後任として起用された4人はすべて大臣経験者。政策への影響を最小限にとどめたい考えです。 また安倍派の副大臣も5人全員が交代。防衛副大臣を務めていた宮沢博行議員は14日「はっきり申し上げます。『しゃべるな!しゃべるな!』。これですよ」と収支報告書への不記載は派閥の指示だったと明かした上で、かん口令が敷かれていたことも暴露しました。 これに対し、安倍派の塩谷座長は「(かん口令が敷かれたという質問に)特にそういうことはない」と否定しました。 一方、自民党幹部にも動きが出ています。安倍派所属の萩生田政調会長や世耕参院幹事長、高木国対委員長がそれぞれ辞表を提出。後任人事は、来年度予算案が決定する来週以降となる見通しです。 政権の要職から安倍派が一掃される形となる中、岸田総理は14日、「所属する政策集団(派閥)がどこかということではなくて、党全体として信頼回復、国民の信頼回復に向けて努力をしていく覚悟であります」と語りました。 ※ワールドビジネスサテライト