67歳、年金が「12万円」なのでダブルワーク中です。年金と給与で「月収40万円」ほどですが、友人に「稼ぐと年金が減らされる」と言われました。今のところ減っていないのですが、なぜでしょうか?
定年を過ぎても働く高齢者が増加しています。総務省の統計によると、2023年における65歳以上の就業率は25.2%とのことです。65~69歳では52%、70~74歳でも34%の人が、何らかの形で仕事に就いています。 こうした高齢者の大部分は老齢年金を受給しながら働いていますが、給与と年金との関係はどうなっているのでしょうか? 本記事では、在職老齢年金の制度について説明します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
年金の支給停止
年金と給与の合計が一定額を超えると年金が支給停止される「在職老齢年金」という制度があります。在職老齢年金が適用されるのは(つまり年金が減らされるのは)、厚生年金保険の被保険者が、同時に老齢厚生年金の受給者である場合です。 ■在職老齢年金とは 在職老齢年金の制度により、次に該当するときは、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止されます。 老齢厚生年金の月額+総報酬月額相当額>50万円 総報酬月額相当額とは、標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与の合計額のことです。直近1年間の賞与を12ヶ月で割った1ヶ月相当額も含まれるので注意しましょう。 ■年金の支給停止はどのくらい? 年金月額と総報酬月額相当額の合計が50万円を超えた場合、次の額の年金が支給停止されます。 (年金月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2 つまり厚生年金の月額と給与(賞与分を含む)の合計額が50万円を超えると、超えた分の2分の1が支給停止されることになります。 老齢厚生年金を1ヶ月14万円、給与(標準報酬月額)が36万円、直近1年間の賞与が48万円という人で考えてみましょう。年金月額と総報酬月額相当額の合計は 年金月額14万円+標準報酬月額36万円+賞与48万円÷12(ヶ月)=54万円 年金月額と総報酬月額相当額の合計が50万円を超えていますので、計算式に当てはめると 54万円-50万円÷2=2万円 54万円になるため、支給停止は2万円です。