「父は笑顔の多い人だった。真相解明を」 王将社長射殺きょう11年
中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東(おおひがし)隆行さん=当時(72)=の射殺事件は19日で発生から11年となった。現場となった京都市山科区の本社前では遺族らが手を合わせるなどし、「事件の真相を解明してほしい」と望んだ。令和4年に実行役とされる暴力団幹部の男が逮捕、起訴されたが、指示役の特定には至っておらず、警察当局が捜査を続けている。 この日、事件の発生時刻と同じ午前5時45分、現場で献花する男性2人の姿があった。午前7時過ぎには大東さんの次女、真弓さん(53)が訪れ、「思いは何も変わらへん」と手を合わせた。真弓さんは「父は笑顔の多い人だった。今も鮮明に思い出す」と振り返り、事件に言及。「背景が分かってほしい。刑事さんも精いっぱいやってくれている。(真相を)解明してほしい」と話した。 起訴状などによると、平成25年12月19日午前5時45分ごろ、特定危険指定暴力団工藤会系組幹部の田中幸雄被告(58)が氏名不詳者らと共謀し、大東さんの腹や胸などを拳銃で撃ち殺害したとされる。裁判官と検察側、弁護側が争点を絞り込む公判前整理手続きが進行中で、初公判の期日は決まっていない。