『おむすび』山本舞香VS平祐奈の両者譲らないビーフ勃発 “米田家の呪い”は神戸でも
『おむすび』第39話では、結(橋本環奈)が沙智(山本舞香)と佳純(平祐奈)の喧嘩に巻き込まれる(以下、ネタバレあり)。 【写真】バチバチに対立する沙智(山本舞香)と佳純(平祐奈) 「ヘアサロン ヨネダ」が新装オープンし、聖人(北村有起哉)と愛子(麻生久美子)の元に、美佐江(キムラ緑子)や要蔵(内場勝則)がお祝いにやってくる。その頃、結は授業に大苦戦。結が入学した神戸栄養専門学校は、栄養士に必要な技能を身に付けるところだが、栄養学以外にも解剖生理学や英会話の授業があり、専門性の高さに驚いていた。 同じ班でスポーツ専門の栄養士を目指す沙智は、ギャルメイクをした結にため息をつき、とげのある態度を取るなど険悪な雰囲気だった。その火種はささいなことをきっかけに爆発する。解剖実習のVTRを見た直後、昼食の時間に「血がめっちゃ苦手」だけど「誰かを助けたい気持ちはすごいある」と語る佳純に、背後から言葉の矢が飛んでくる。声の主は沙智だった。 栄養で人類を救うという佳純を沙智は甘いと一刀両断。開業医の娘である佳純が学ぶ理由を暇つぶしと罵ると、佳純もスポーツ専門の栄養士は100%無理と反撃する。仲裁に入った結と森川(小手伸也)が止めるのも聞かず、そうするうちに矛先はなぜか結に向けられ、「あんたみたいなんがおるから女がなめられる」と責めたてられた。 初日の挨拶で、プロを目指す翔也(佐野勇斗)を支えるために栄養学を学ぶと話した結を、沙智も佳純も内心良く思っていなかったようだ。一連のシーンでは、やさぐれ系の演技で定評のある山本舞香と、ぶりっ子しぐさを織り交ぜながら、しっかり言うことは言う平祐奈のテンポの良い会話の応酬に引き込まれた。
困っている人がいると放っておけない「米田家の呪い」は、結が何かをするときの原動力になっている。同じ気質は翔也にもあって、慣れない事務仕事でへこみそうになりながらも「一緒に頑張ろう! そして結婚しよう!」と結を直球で励ます。班替えを申し出た沙智に石渡(水間ロン)が出した課題で、結がどんな関わり方をするか注目だ。 自分から首を突っ込んで巻き込まれる“呪い”がもたらす対立に、米田の父である聖人(北村有起哉)も直面していた。開店の挨拶で古なじみの孝雄(緒形直人)の店を訪ねた聖人は、孝雄と若林(新納慎也)が言い争っている姿を目にする。止めに入った聖人に、孝雄は「神戸を見捨てて逃げた」と言い捨てた。 “あの日”から消えない苦しみを背負い続ける人の存在を『おむすび』は忘れていない。残った者と去った者のそれぞれに葛藤はあって、わかりあえないまま同じ街で暮らしていく。コミュニティの再生を通じて、人の心の再生も描かれていくだろうか。
石河コウヘイ