東京・目黒川で謎の気泡発生 リニア建設工事との関連は? 国は実質的な調査を拒否
今春に魚の大量死事件も
このJR東海による掘削工事は「調査掘進」との名目で、非常口から300メートルまでは掘削による地表面に変異が生じた場合は調査し将来の本掘進にいかすとの触れ込みのはずだった。出席した小池晃・参議院議員(共産党)が「その変異が起きている今、なぜ調査しないのか」と指摘したのに対して、鉄道局が「本件はJRが責任をもっているので伝える」とだけ回答し、会合は終了した。 この会合は開催までの周知期間がわずか2~3日程度だったが、外環やリニア問題と対峙する市民が約30人集まり、調査の必要性を訴えた。シールドマシンは今後、いくつもの水源の下を通るからだ。そこには、子どもたちの遊び場の川辺もあれば、池もある。また、水源ではなくても酸欠空気が井戸や地下室などに侵入すれば人命にかかわる問題になる。 筆者も「8月初旬に気泡を確認したのなら、その時点でマシンを止めなかったのか」と質問したが、鉄道局は「止めなかった」ようだ。 また、4月のことだが目黒川では三嶽橋の上流と下流で魚の大量死事件が起きている。これがシールドマシンからの酸欠空気の影響か否かを今は確かめようがない。だが会合から2週間近く経つ今も鉄道局がJR東海に調査の指示をしたとの情報がないことからも、目黒川で起きたことの真相はこのままないがしろにされるのではないかと、リニア問題に関わる市民らは危惧している。
樫田秀樹・ジャーナリスト