日立アステモ、渋谷サクラステージに先端技術の開発拠点を新設 エンジニア確保へ
日立アステモ(竹内弘平社長、東京都千代田区)は7月31日、先端技術の開発拠点を東京・渋谷に開設すると発表した。SDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)の普及などが進む中、オープンなデザインなどを通じて「ティア0.5サプライヤーとしての能力強化を図る」とする。渋谷という好立地に拠点を構えることでエンジニアなどの人材確保につなげていく。 新オフィスは、JR渋谷駅の隣接地に昨年11月に竣工した大規模複合施設「渋谷サクラステージ」内に入居、25年4月から稼働する。モビリティ業界における急速な変革に対して、迅速な対応をできるようにするのが狙いだ。 さまざまな技術背景を持つエンジニアやクリエイターが集まり、先端技術開発やSDVに対応したソフトウエア開発などを進める。「共創を促進するオープンな価値創造拠点」をコンセプトに、オープンなデザインや、仕事によって居場所を柔軟に決められるABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)を採用。チームでアイデアを出し合う議論だけでなく、個人での集中作業など、従業員が主体的に活動に適した場所を選べ、生産性向上や創造性の広がりを促す。同社は「これまで以上にスピーディーで質の高い技術開発が可能となり、モビリティの進化に貢献する開発に向けた取り組みがより一層加速されることが期待できる」としている。 サプライヤー業界では、製造拠点を地方部に構えることが多いが、理系人材の確保や、他社との共創活動を進めるため、近年では研究開発施設を首都圏の利便性の高い場所に立地する動きが相次いでいる。村田製作所や京セラ、ボッシュなどは横浜市に拠点を設けている。