即位の礼と由緒ある「11月10日」 祝賀パレードは平成が初
天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列(しゅくがおんれつ)の儀」が10日午後、行われる。当初は「即位の礼」のあった先月22日に予定されていたが、台風19号による甚大な被害を考慮し、延期されていた。しかし、この11月10日は、皇室にとって由緒がある日だと、皇室の歴史に詳しい京都産業大の所功名誉教授は指摘する。祝賀パレードの歴史と合わせて即位の礼を振り返る。 【画像】「即位パレード」 持ち込みNGなのは? 入出場制限の地下鉄駅は?
大正、昭和は「馬車行列」に人だかり
10日の「即位祝賀パレード」は、皇居から赤坂御所までの約4.6キロのコースを天皇皇后両陛下がオープンカーに乗って、国民から祝福を受けられる。即位の礼の中心儀式である「即位礼正殿の儀」とともに国事行為として執り行われる。 即位の礼は、明治、大正、昭和、平成と受け継がれてきたものだが、即位パレードは平成の時代に初めて行われたものだと所氏はいう。「パレードという形式で行われたのは平成が最初だ。江戸時代以前には一切ないが、これに類するものがこれまでまったくなかったかというと、そうではない」 所氏によると、大正と昭和のときには、東京にいた天皇と皇后が、京都御所で行われる即位の礼に臨むために大行列をなして移動した。 皇居から東京駅まで、一泊するために降りた名古屋駅から当時離宮だった名古屋城まで、そして京都駅から京都御所までの間、行きも帰りも、天皇と皇后をそれぞれ乗せた華やかな儀装馬車を中心に大行列をつくった。「その道中は、すごい人出。ましてや京都は京都駅から御所まですごかった」。たくさんの人々が天皇即位の機会にお祝いの意味で駆けつけたのだという。 「そういうことが、即位されたことを国民がお祝いする機会にもなった。その行列をお迎えするのが、即位パレードの一つの前例になっていると言ってもいいかもしれない」 平成の即位の礼では、オープンカーによるパレード形式で行われた。そのモデルになったのは、1959(昭和34)年の上皇ご夫妻(当時は皇太子ご夫妻)のご成婚パレードではないかと推測する。「おそらくそれがモデルになって、馬車ではないにしても、オープンカーでパレードしようということになった」