即位の礼と由緒ある「11月10日」 祝賀パレードは平成が初
大正、昭和の即位の礼と「大政奉還」
所氏は今回、「パレードが日延されてよかったと思う」と語る。10月に東日本を縦断した台風19号は、多くの河川氾濫をはじめ、各地に大きな被害をもたらした。「復興にも時間がかかる中で、恐らく両陛下はできれば取りやめてほしいというくらいに思われているんじゃないか」と心中を慮る。 そもそも、延期された11月10日は皇室にとって非常に重要な日だと説明する。1915(大正4)年と1928(昭和3)年のこの日、大正天皇と昭和天皇の即位の礼が行われた。 さらに、江戸幕府が朝廷に政権を返上した「大政奉還」もこの日が関わっている。第15代将軍徳川慶喜の申し出を朝廷が受け入れたのが1867(慶応3)年10月15日、それを新暦に直すと11月10日になるのだ。 「大政奉還という国のあり方を変えた記念日として11月10日はとても大事。それを踏まえて、大正と昭和の即位の礼はこの日に京都で行った。今回、政府が11月10日に延期したのは偶然ではなくて、そういう由緒を踏まえて選んだのだと思う」