2人のベテランタッグが戦力としてだけでなく、チームに与える影響は計り知れない。新井は、このキャンプでは、大好きなアルコールをできるだけ控え、節酒キャンプを続けている。個人練習にも積極的に参加、体つきから精悍になっている。 「おそらく体重は、3、4キロは減っていると思うんです。カープに入団したときがマイナスからのスタートなら、今はゼロからのスタート。体が潰れてもかまいません。そんなもの怖がらずにガムシャラにひたすらにやるだけなんですよ」 　その取り組む姿は、前述したように緒方監督を驚かすほどの刺激をチームに与えている。一塁では昨季本塁打王のエルドレッド 、三塁にも堂林翔太、鈴木誠というライバルがいるが、エルドレッドは昨季長期不振に陥ったし、堂林もブレイクの一歩手前で安定感には欠ける。新井が入りこむチャンスは十二分にある。 　注目の黒田は、15日に来日、16日に広島で記者会見を行い、沖縄の第二次キャンプからチーム合流する予定。すでにマスコミの取材申請が殺到、彼が注目を浴びることで、チームに活気と緊張感も生まれる。 　先日、巨人の原監督と話をしたときに、今シーズン、一番注意すべきチームとして広島の名前を挙げていた。中継ぎ、抑えへの不安はまだ解消されていないが、ローテーションは充実、新井の移籍で打席には、一発の怖さが加わり、さらに厚みが増した。 　新井、黒田タッグの最終章の始まりは、どんなシーズンになるのだろうか。 （文責・駒沢悟／スポーツライター）