全米メディアも村田の2回TKO王座奪還を「年間最高ラウンド」と絶賛。アラム氏「次はアルバレス戦希望」報道も
スポーツメディアのESPNは「村田が敗戦の雪辱果たしセカンダリー(第二)のベルトを奪還」との見出しを取り、「日本のヒーロー村田が一方的に敗れた前戦の雪辱を果たし、米国のESPN+で放送された日本の大阪で行われたタイトル戦でブラントを爆発的な2ラウンド目のダウンで破りミドル級セカンダリー(第二)のベルトを奪還した」と伝えた。「セカンダリー(第二)」と表現したのは、WBAの同級スーパー王者として統一王者のアルバレスが君臨しているからだ。 記事は、「この勝利は、村田を応援する観衆に歓喜の瞬間を届けた。前回の戦いの後に引退を考えた村田にとって強い印象を残す復活劇だった」と表現。 さらに「村田が繰り出したパンチはとても優れていた」として同メディアは、驚異的なデータを明らかにした。ブラントは143発のパンチを放ちヒットさせたのが42発(29%)だったが、対して村田は、2ラウンド以内で211発中98発(46%)をヒットさせた。 「驚くことに村田が当てた98発のパンチのうち95発がパワーショットだった(ジャブ以上の強いパンチのこと)。彼は、そのうちの64発をほぼ歴史的なラウンドとなる第2ラウンドに集中して打ち込んだ」という。これは、パンチ解析データを出すCompuBoxの34年間の歴史において「ミドル級の1ラウンドで歴代2位の多さのパワーパンチをヒットさせたことになる」と続けた。 ボクシングサイトの「ボクシングシーン」も「村田がブラントを2ラウンドで叩き潰す。160ポンド(ミドル級)セカンダリー(第二)のタイトルを再戴冠」とのタイトルで報じた。 「これが村田が1戦目でやりたかった戦い方だった。2012年五輪の金メダリストの日本選手(の村田)が2度目の試合では、正しくコントロールし、2回で試合を終え、ブラントにタイトルを取られた復讐を果たした」と伝えた。 記事は「前回との大きな違いは、村田が今回の戦いに向けて進めた準備だった。彼の母国の日本で満員となった観衆の声援を受ける一方で、前王者(の村田)は最初の戦いがプロとしての彼の本来の姿ではなかったことを証明するモチベーションにあふれていた」と紹介。「それは金曜日の彼の気力に表れていた。彼の持ち味のパワーショットを放つまで最初はブラントのがむしゃらなスタートの攻撃に耐えた。その戦術が功を奏した。ブラントにこれまでの誰よりも多くのパンチを叩き込んだ(第2)ラウンドは年間最高ラウンドの有力候補となるものだった」と絶賛した。 記事は、また「この戦いは村田の5試合連続のタイトルマッチとなり、彼の(2度の)キャリアでの敗北も含まれる。33歳(の村田)は、傾いていた船を綺麗に正しい状態に戻し、完璧なタイミングでタイトルを奪回した」 と評価した。 今後の村田の可能性について、「世界ミドル級王者のアルバレスが予定している9月14日の対戦相手に呼ばれることはほとんどないだろうが、村田は、その候補の最高の位置に付けた」と断言。 さらにアルバレスを巡る混迷状態のミドル級戦線をこう説明した。 「アルバレスは、すでにWBCのタイトルを手放し、指名試合の挑戦者セルゲイ・デレビヤンチェンコとのIBF防衛戦を控えるというジレンマに直面している。メキシコの象徴(のアルバレス)がゲンナジー・“GGG”・ゴロフキンとの3戦目のような魅力的な戦いを好みタイトルを返上する可能性もある。たとえWBAの指名防衛戦をこなすとしてもWBAの指名試合は長らく行われていない。アルバレスは現在、WBAのスーパー王者を保持している。村田がミドル級の中心の存在を再度、確立するための戦いは簡単なものではなかったが、村田は金曜日の勝利で2度目の正規王者となった」 村田の今後に全米メディアも注目している。