【NBA】ベンチメンバーがそれぞれ得意な武器を披露したサンダー、ニックスを相手にアジャスト力が光る逆転勝利
途中出場のアーロン・ウィギンズが流れを変える活躍
12連勝中のサンダーと9連勝中のニックスの対戦は、それぞれが相手の良さを消しに行く形で試合が進みました。同じ狙いの中では豪華なスターターのニックスに分があるかと思われましたが、ベンチメンバーで違いを作るサンダーが試合の中で課題を修正する強みを発揮して、逆転勝利を挙げています。 サンダーはニックスのエース、ジェイレン・ブランソンを止めに行くのはもちろん、カール・アンソニー・タウンズにジェイレン・ウィリアムズを、ジョシュ・ハートにアイザイア・ハーテンシュタインをマッチアップさせるゲームプランを採用しました。ティンバーウルブズ時代のタウンズも見事に抑えていたウィリアムズは、アウトサイドでプレッシャーを掛けるだけでなく、インサイドでもフィジカルに戦いながら巧みなハンドチェックで自由を奪い取ります。 前半はブランソンとタウンズを合計18得点に抑え込むことに成功しましたが、アウトサイドにプレッシャーを掛けられないハーテンシュタインとのマッチアップで自由にプレーできるようになったハートが起点役となり、空いたゴール下を使うミケル・ブリッジスがカットプレーやポストアップで押し込むと、OG・アヌノビーも3本の3ポイントシュートを決め、3人で46得点を奪いました。サンダーは抑えるべき選手を抑えたはずが、それ以外のところで失点を重ねたのです。 一方でニックスのディフェンスは、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーのドライブに対してペイント内のヘルプディフェンダーを増やして止めに行きました。両チームともに相手エースを止めることを優先した形ですが、サンダーはキックアウトパスが上手く繋がらず、前半は66-54とニックスが2桁リードで折り返します。 後半のサンダーは、プレッシャーは強めるもゲームプランに変更はなく、ニックスは同じ形でオフェンスを展開すれば良かったはずですが、ブランソンがエースとしての自覚を示すかのようにアタック回数を増やして自滅します。ブランソンは後半に16本のフィールドゴールを放つも5本しか決められず、これで得点が停滞してしまいました。 サンダーも得点が伸びないため決定的な違いを生み出せずにいましたが、ベンチから出たアーロン・ウィギンズが流れを一変させます。高速ヘルプでのブロックショットに、オフェンスリバウンドといったハードワークで流れをもたらすと、キックアウトパスを受けての3ポイントシュートを次々と沈め、後半だけで15得点を奪う大活躍でサンダーを逆転勝利へと導きました。 ウィギンズがディフェンスを広げたことで、そこからサンダーのオフェンスはドライブも面白いように決まっていきます。同じことはニックスにも起きておかしくなかったはずですが、ワイドに展開してエース以外で得点を奪った前半から、後半はスペースを得たエース中心のオフェンスに固執して得点が止まり、苦し紛れのパスも増えてリズムを狂わせました。 前半終了時点で2桁のビハインドを背負っていてもゲームプランを変更しなかったサンダーの戦略が上回った形で、サンダーが117-107の逆転勝利を収めています。 サンダーはウィギンズだけでなく、センターのジェイリン・ウィリアムスが3ポイントシュート2本を決め、ケンリッチ・ウィリアムズを使ったスモール戦術で変化をつけるなど、プレータイムは短くてもスターターとは異なる武器を持つベンチメンバーが効果的なアクセントになっていました。ニックス相手に何が有効かを試していった結果がウィギンズだったわけですが、試合展開を見極めながらチームとして見事にアジャストしての13連勝となりました。