バブル期に建てられたマンションには「古い」というデメリットを覆すほど〈高い価値〉があるワケ【不動産投資のプロが解説】
バブル期といえば今から30年以上前。この頃に建てられたマンションと聞くと「古い」と感じるかもしれません。しかし今も残っているバブル期に建てられたマンションは、その時代に建てられたからこその高い品質を備えていると話すのは、株式会社プラン・ドゥの代表・杉山浩一氏です。今回はなぜバブル期のマンションに大きな価値があるのかを、杉山氏の著書『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋し、ご紹介します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
バブル期のマンションはなぜ高品質なのか?
一般的に、築30年を経過したあたりから、その物件に対してネガティブな印象を抱く人が多いようです。しかし、「バブル期(1990年前後)に建てられたマンションは総じて品質が良い」ということを知らないと、本当に価値のあるものを見逃してしまうことになりかねません。 まず、バブル期の建物は基本的に、対賃料収入という観点での費用対効果を考えて建てられてはいません。言い換えれば、そこで生活する人が必要とする以上に贅を尽くしている、という側面が色濃く存在しているわけです。 そのような時代背景の中で、なぜ多くの人がこぞってマンションを建てたかというと、「土地は値上がりする」という「土地神話」が機能していたからです。購入時の値段がどれだけ高くても、後で転売するときには時の経過とともに値上がり益が出る。だからこそ、地上げのような問題も含めて、多額の金銭が土地に注ぎ込まれたわけです。 賃料というリターンを狙う必要はなく、転売時に高く売れるよう、つくりをできるだけゴージャスにすることがプライオリティでした。これは分譲マンションだけでなく、賃貸マンションの場合も同様です。 賃貸でも分譲マンションの仕様と同等レベル、ないしはそれ以上のつくりであることが当たり前。スーパーゼネコンが手がけるのも当たり前。さらには外壁全体のタイル貼り、共有エントランスの石張り、システムキッチンの天板を人造大理石にするなど、実用性や賃料には直接影響しない部分にまで多額のコストがかけられました。 実際、分譲マンションが一棟で買われて、賃貸マンションとしてマーケットに出てくるケースもありました。