真相は意外な展開に。一ノ瀬たちが、過労の堀川監督を強制休養させようと仕組んだ偽の事件だったのだ。ほっこりとした結末に安堵の空気が流れたが、刑事ドラマとしてはあまりにゆるい展開に、視聴者の中には一瞬首を傾げた人もいたかもしれない。 　しかし、物語の真の核心はこれからだった。若き勝又蓮（遠藤健慎）の元に届いた拳銃と「俺たちと手を組もう」という不穏なメッセージ。同時に、本庁では安達順平（白洲迅）らが不正アクセス事件の捜査に没頭し、小鳥遊市内で少年犯罪データにアクセスを試みた容疑者の存在が浮かび上がっていた。 　この状況下、西条の特技であるパズルを繋げるスキルによって復元された「勝又蓮」宛の伝票が新たな展開をもたらす。14年前の傷害致死事件が発覚し、被害者・北川亜弓が岡留の娘だと判明。西条の頭に、ある可能性が閃いた。 　不安を抱えながら行った指紋照合で、西条の目に飛び込んできたのは紛れもない岡留の指紋だった。つまり榎田たちの共犯者は、他ならぬ岡留自身。誘拐事件の真の目的は拳銃入手であり、全ては岡留による壮大な自作自演だったのだ。 　これまでの展開で、各話ごとに独立した謎を追う構造だった本作。しかし、今や物語は大きく動き出し、その根底に岡留が悪の存在として姿を現し始めた。西条は常に岡留を信頼し、家族のように慕ってきた。その信頼関係が揺らぐような出来事が起こった今、続く第10話の西条の心中には複雑な感情が渦巻いているに違いない。