<春風を待つ―センバツ・宇治山田商>玉城の身障者就労センター利用者、手作りクッキーで応援! スイング型など3種 /三重
◇「甲子園で頑張って」 18日開幕のセンバツに出場する宇治山田商ナインを応援しようと、玉城町佐田の「身障者就労センター上々」の利用者が、手作りのクッキーの製作に急ピッチで励んでいる。リーダーの水谷和枝さん(50)は「山商の選手たちに甲子園でぜひ勝ってほしいという思いを込めて、みんなで一生懸命作っています。頑張ってください」とエールを送る。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 宇治山田商には、主力の中川春輝三塁手(2年)、阪口諒真右翼手(1年)ら玉城町出身選手がいる。玉城町は夏の全国高校野球選手権大会を創設した朝日新聞社創業者・村山龍平(1850~1933年)の出身地でもあり、町がセンターに製作を提案した。利用者たちは「玉城の子もおるし、自分らができることで山商を応援したい」とアイデアを出し合って試作を重ねた。 「JoJo白球クッキー」と名付け、選手がスイングした形のモロヘイヤとヘルメット型のカボチャ、ボールに見立てたスノーボールの3種。材料は地元産にこだわり、粉末にしたモロヘイヤやカボチャを生地に練り込んでいる。 作業場では、生地作りから型抜き、焼成、袋詰めまで利用者が手作りで作業を進めている。15日までに50袋の製造が目標。利用者の代表が宇治山田商に出向き、選手に手渡す予定。スタッフの山本知美さんは「利用者たちのまっすぐな思いが選手の皆さんに届き、それがまた利用者さんのやる気につながっていけばうれしい」と話していた。 センターは、障害者の自立した生活を目指して就労機会を提供する就労継続支援B型事業所。身体や精神、知的などの障害がある10~90代の約30人が通い、地元産の野菜や果物を使ったドライフルーツや野菜チップス、うどんやスイーツなどを製造し、産直市場や企業などに出向いて販売している。【小沢由紀】 〔三重版〕