「サボり」の活用術。3分以内のサイバーローフィングで仕事の質がちょっと変わる
自宅でのリモートワークであれば、10分でもごろっと横になれば、すっきり回復して、元気になるものです。 しかし、これがオフィスワークであったり、横になれる環境でなければどうすべきでしょうか? それでも解決策はいくつかあります。 椅子に座ったままでマインドフルネスをする、自動販売機を往復して買ったドリンクを飲む、あるいは同僚の席まで行って仕事の相談にかこつけて雑談をする…。 様々な方法がありますが、それらに加えてもう1つ、お手軽な方法があります。 それが「サイバーローフィング」です。
サイバーローフィングのメリットは多い
サイバーローフィング(Cyberloafing)は、インターネット黎明期の1995年に生まれた言葉とされています。 意味は「仕事中に私用や娯楽目的でインターネットを使う」こと。 もちろん、管理者からの目線では好ましい行為とされていません。 ネバダ大学の調査によると、従業員のサイバーローフィングのせいで、米国の雇用主は年間850億ドルの損失を被っているそう。 そのデータを知っていても知らなくても、経営者や人事部門の人なら、躍起になってサイバーローフィングを根絶しようとするでしょう。 実際、コロナ禍が起きてリモートワークが拡大したとき「サイバーローフィングをいかに予防するか」を経営課題とする企業が多く存在していたとされています。 ですが、最近は風向きがちょっと変わって、サイバーローフィング善玉論が力をつけています。 一例を挙げると、米国のウェブメディア「Built In」の「Cyberloafing: What Is It and How to Prevent It」(2022年11月28日付)という記事で、著者のDawn Kawamoto氏はこのように綴っています。 新しいスキルの習得など、目に見えるメリットもありうる。また、心の健康や幸福のために必要な休息として利用する場合もある。 特に、職場で大きなストレスを感じているとか、単に退屈な仕事が多いと、サイバーローフィングが「精神的な気晴らしのほか、再度仕事に飛び込む気持ちに回復できる」メリットがあるとも論じています。 また、『「怠惰」なんて存在しない』(デヴォン・プライス著、佐々木寛子翻訳/ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、サイバーローフィングについて次のように書いています。 機嫌よく仕事に集中するためには、だらだらとローフィングして過ごす時間が必要なのだ。それを「時間の無駄」だとみなすのは、トイレ休憩は道楽だから不要だと言うに等しい。(中略) 経営者は嫌がるかもしれないが、こうした時間の使いかたは「泥棒」ではなく、必要な「息継ぎ」なのだ。(本書91pより) こうした、サイバーローフィングのポジティブな側面を語る研究はいくつもあります。 日々仕事のストレスにさらされる我々は、意識的にこのメソッドを取り入れたほうがよいと考えます。