中国の碧桂園、期日までに利払いできず-国有保証会社が介入も
(ブルームバーグ): 中国の不動産開発大手、碧桂園は9日、人民元建て社債2本について当初の期日までに利払いを履行できないと発表した。この社債は政府系プログラムの信用補完機関から保証を受けており、碧桂園側は国有の保証会社が介入する可能性を示唆。同プログラムにとって最初の試金石となる。
届け出によると、碧桂園の中国本土部門は期限の9日までに表面利率3.95%と同3.8%の社債で利息の支払いを実行できないという。民間開発会社の資金繰りを支援するため、当局が2022年に導入したプログラムの中核となっている中債信用増進投資が支払いを保証している。
碧桂園は計6595万元(約14億2000万円)の利払いに関して、3営業日内の実行に向けて最大限取り組むと説明。期間内に支払えない場合は、中債信用増進投資が「信用補完の責任を果たす」とした。
介入続く恐れ
今回の事態を受け、資金繰り難にある他の不動産開発企業も政府保証プログラムの下で支払いが滞り、保証機関がさらに介入を余儀なくされるのではないかとの疑念が生じている。ブルームバーグの集計データによれば、同プログラム経由で少なくとも33本の債券がこれまでに発行され、全体で337億元に達している。期限までに支払いが履行されなかった例は他にはまだない。
販売額トップの不動産開発会社だったこともある碧桂園は最近、元建て債としては同社初のデフォルト(債務不履行)を免れたが、これは保証付きではなかった。昨年、ドル建て債で事実上のデフォルトに陥った碧桂園を巡っては、緊張が高まっている。香港では債権者から清算の申し立てを受けており、最初の審理が17日に開かれる。
中国不動産の碧桂園、清算申し立てに直面-香港で5月17日審理
利払いが期日までに実行されなかった政府系プログラムの保証付き債券については、5日間の猶予期間が設けられている。
だが、目論見書によれば、碧桂園がそれまでに支払わなかった場合、中債信用増進投資が介入し、3日以内に同社に代わり支払いを実行する必要がある。