【タイ】中国基板大手の工場稼働、EV向け供給
タイ投資委員会(BOI)は16日、中国のプリント基板(PCB)大手、江西威爾高電子(ウェルガオ・エレクトロニクス)の子会社ウェルテック・エレクトロニクスが6月にタイ工場を稼働したと発表した。国内の電気自動車(EV)メーカーや輸出向けに多層基板を製造する。 ウェルテックは25億バーツ(約112億3,800万円)超を投じ、中部アユタヤ県のロジャナ工業団地にPCB工場を設置した。延べ床面積は6万4,000平方メートル超。高密度実装配線(HDI)基板と呼ばれる多層基板を製造する。同工場は第1期で、まずは30層基板を生産。第2期を同工場の横に開発し、生産能力を数倍に高めた上で、50層までの高度な多層基板を製造する計画だ。 多層基板はデータサーバーやEV部品、データセンター、人工知能(AI)を使う電子製品などに使用される。ウェルテックは、6割を輸出し、残りの4割は国内のEV、電子メーカーに供給する。 アユタヤ工場はAIや自動機械を使ったスマート工場で、タイ人の雇用は技術者を中心に500人超、中国人管理職は10人以内にとどまる。研究開発センターを設置し、タイ人研究者40人超を雇用するほか、タイの4大学とPCB人材育成のカリキュラムも設ける予定だ。