さまざまな機能を一体化しているイーアクスル「Ｘｉｎ１」

　アイシンは23日、北海道豊頃町の試験場で、自動車の電動化や知能化に向けた最先端の技術、製品を報道陣に公開した。油圧に代わり、電気信号により作動する電動ブレーキのほか、電気自動車（ＥＶ）の駆動装置「イーアクスル」では、さまざまな機能を一体化した「Ｘｉｎ１」などを紹介。それぞれ試験車両に搭載しての試乗会も実施した。 　電動ブレーキの開発は、子会社のアドヴィックス（本社刈谷市）が進めている。従来の油圧ブレーキでは、前輪と後輪の間に配管が必要となる。電動化によって配管が不要となり、車両設計の自由度が増すほか、軽量化にもつながる。法規制の課題もあるため、30年以降の実用化を目指すとしている。 　またイーアクスルでは、次世代品を試験車両（日産自動車「サクラ」）に搭載して公開した。インバーターとモーター、減速機の主要３機能のほかに、冷却機能などの熱マネジメントや、電力を車内で使用できる電圧に変換するコンバーターなども統合している。モーターも回転数を上げることで小型化を進めた。それぞれの機能を個別で配置した場合と比べ、スペースを６割、質量も４割削減している。

　また、ハイブリッド車（ＨＶ）向けの駆動装置、２モーターシステムでは、電費をさらに高めた製品開発を進め、プラグインハイブリッド車（ＰＨＶ）向けに、27年をめどに投入することも明かした。 車両が急カーブを予測し、自動的に適切な減速をするシステムや、子どもの置き去りを防ぐ車内センサーなども紹介した。