精緻に再現された釈迦三尊像に見入る来場者=黒部市芸術創造センター・セレネ美術館

　最先端のデジタル技術と職人の手作業によって文化財や芸術作品を高精細に再現した「クローン文化財」を紹介する「クローン文化財降臨展」が7月20日、富山県黒部市芸術創造センター・セレネ美術館（同市宇奈月温泉）で始まった。門外不出の国宝「法隆寺金堂釈迦（しゃか）三尊像」やモネの「睡蓮（すいれん）の池　緑のハーモニー」など、本物と見まがうほどの精緻な28点が並ぶ。9月23日まで。北日本新聞創刊140周年記念事業。 　クローン文化財は東京芸術大が技術開発した。従来の複製品とは異なり、画材の成分や表面の凹凸までオリジナルに近づけている。この技術により、貴重な文化財や作品を保護しつつ、価値や魅力を知ってもらう「保存」と「公開」の両立が実現できるという。 　展示では、法隆寺（奈良）が所蔵する仏像や壁画と、印象派を中心とする西洋絵画のクローン文化財を紹介している。開会式では川端康夫黒部・宇奈月温泉観光局代表理事と蒲地北日本新聞社長があいさつした。 　セレネ美術館、黒部・宇奈月温泉観光局、北日本新聞社主催。