ゴールドラッシュの繁栄伝える「南半球のエディンバラ」威厳あるダニーデン
機内での食事を済ませ、入国審査カードを記入しようとペンを取った。書き進めると持ち込み物のチェック項目がいつもより細かいことが気になった。 動物性でもない加工食品から、土が付着していそうなシューズ、キャンプ、ゴルフ用品など。機内でも提供された食品は持参せず機内に残しておいてくださいとのアナウンス。牧畜国だからか検疫が厳しいのかと思ったが、そのためだけではなさそうだ。 ニュージーランド、とくに野生の動物が多く見られる南島のオタゴ、サウスランド地方に向かった。
スコットランドの移民によって開拓されたダニーデンは、19世紀後半、ゴールドラッシュにより栄えた。そのため、街中には当時の繁栄がうかがえるエドワード朝様式やビクトリア朝様式の建造物が多く立ち並んでいる。 「南半球のエディンバラ」と言われ、歴史と文化に満ちたその街は、ニュージーランドで最初に作られた大学、オタゴ大学があり、学生の多い街として知られている。街のあちらこちらに見える芝生のグランドでは、サッカーよりラグビーのゴールポストのほうが目に付いた。さすがラグビー王国だ。 市内から車ですぐのオタゴ半島は野生動物の宝庫で、ペンギン、アルバトロス、オットセイ、アシカなど間近で観察することができる。 (2017年6月撮影・文:倉谷清文) ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<野生動物との共存ニュージーランド> 倉谷清文第6回」の一部を抜粋しました。