「しろえびせんべい」が海を渡る 富山の100年企業・日の出屋製菓産業が米菓と“米菓超えの食”で海外に雄飛
富山米と富山湾で獲れるしろえびで作られる「しろえびせんべい」が海を渡り人口に膾炙する――。 そんな青写真を思い描き、富山の100年企業・日の出屋製菓産業では世代交代が行われた。 3月1日、代表取締役社長に川合洋平氏が就任し、社長職を兼務していた川合声一代表取締役会長は社長職を退任し会長職に専念する。 2月26日に創業100年の節目を迎えた動きとなる。 今後の役回りについて、3月8日取材に応じた川合声一会長は「創業者の薫陶を受けた者は今では私しかおらず、原材料の富山米や企業文化についてはもう少し私が語る必要がある。それ以外は口出ししない」と語る。 社内では会長職に専念しつつ、地元・富山を盛り上げる活動に諸肌を脱ぐ。 バトンを渡した長男の川合洋平社長には、海外事業の発展に期待を寄せる。 「洋平という名前には“太平洋を越えて商売してほしい”という期待を込めた」という。 同社の前期(2月期)売上高は前々期比8%増の39億円。 スーパー・量販店に卸している「日の出屋製菓」ブランドを意図的に縮小した一方で、新販路と新ブランドに注力して伸ばしていったことが奏功した。 このうち海外売上高は前々期比2.5倍に拡大し、今期は1億円の大台を突破すべく前年比3倍の伸びを計画する。
バトンを受け継いだ川合洋平社長は「5年以内に海外売上比率を10%に引き上げていくことが最低ラインの目標」と意気込む。 海外事業は現在、13の国と地域で展開している。その中でサンクゼールとの取引が大きいことから、今後はサンクゼールを通して輸出先を拡大させていく。 「サンクゼール様はじめ国内卸企業様との関係を深めつつ、現在、海外の卸企業様ともやり取りしており、数年かけて当社のNB商品の展開も視野に入れている」と述べる。 今後の商品開発の方向性は、米菓にとどまらず和菓子など地元のお米や特産品を使ったさまざまな食を展開していく考えで、その急先鋒に新業態ブランド「おこめぢゃや」を挙げる。