ぼる塾・あんり「芸人辞めます!」初めて評価を受けた達成感から、引退を考え直した瀬戸際の出来事
たとえば、小・中学校でたくさん友達ができたのも、私にヤンチャな兄が2人いて、兄の妹ということで周りから声をかけてもらえました。高校を中退してバイトが楽しかったのも、バイト仲間が人間関係を広げてくれたおかげです。 でも、NSCに入って真剣に芸人を目指すようになると、自然と行動が積極的になって、ちょっとずつ評価されるようになっていったんです。ネタを作るのも毎回必死だったし、毎日を振り返る余裕がないくらい忙しくて充実していました。
── ちなみに、あんりさんは舞台やテレビで“豪快な話し方”をすることがありますよね。何か影響があったのでしょうか? あんりさん:NSCに入るまで人からイジられたことがなくて、ライブで初めてイジられたとき、ビックリしたんです。ただ、うちの家族は父が元暴走族で、母が元レディース、兄もヤンチャだったので、家の中ではいつも豪快な口調が飛び交っていたから、ライブで初めてイジられたときに、「なんだこのヤロー!」って自然と出ちゃったんだと思います(笑)。今では私の持ち味になってる感じですね。
■まさかの大舞台で頭が真っ白に ── NSCを卒業後、はるかさんと2人のコンビ「しんぼる」は順調でしたか? あんりさん:毎日楽しかったですけど、5年間は売れなかったですね。ライブでウケてもそれだけじゃダメで。周りの先輩たちがテレビに出始めていた時期だったし、私たちも番組のオーディションを受けて、もっと活躍していこうと話していたんです。 ただ、不安要素はありました。はるちゃん、よくネタを飛ばすんです。その都度、私がフォローしていましたが、”ここぞ”というM-1の予選でまた飛ばしたんです。「まさかこれ飛ばす?」と予想もしなかった部分を飛ばしたので、私も頭が真っ白になってしまって、その場でフォローできなくて。2人で「すみませんでした!」と謝って、舞台のソデにはけました。
── なかなか緊迫した空気ですね…。 あんりさん:なんで肝心なところで飛ばすんだ!ってイラッとしたし、相手を責めるような気持ちもありました。 でも、少し冷静になって気づいたんです。いつもはるちゃんのせいにしているけど、はるちゃんの魅力を活かせないのは自分じゃないか。売れないのもそう。いつも自分が正しくて、はるちゃんが間違えだって決めつけてる。もうダメだ。はるちゃんを生かせるのは自分じゃないし、はるちゃんを嫌いになるのは嫌だ。はるちゃんにはこのまま芸人を続けてもらって、私は辞めると伝えました。はるちゃんは止めてくれましたが、私の意志は変わらなくて、最後にライブをすることになったんです。