故エリザベス女王

イギリス王室がスコットランドのバルモラル城を一般公開すると発表した。王室は約200年前に城主となったが、一般公開されるのが今回が初めてだ。 【写真】“夢のような場所”と称される「バルモラル城」ってどんなところ？ バルモラル城のウェブサイトで、「1855年に完成して以来、初めて経験豊富なガイド付きのプライベートツアーを許可することにしました。バルモラル城内の美しい部屋の数々を回る歴史的な旅にご案内します」と発表している。

チャールズ国王と若きウィリアム王子＆ヘンリー王子。1997年、夏

1852年、ヴィクトリア女王の夫アルバート王子が妻への贈り物としてバルモラル城を購入。しかし、元々の建物では小さ過ぎたため、新しい城（現在の建物）を建て、元の建物は取り壊した。 ツアー参加者は現在もイギリス王室がプライベートを過ごす空間や、ガーデンを堪能することができる。 「ツアーでは、城の起源や代々のロイヤルファミリーにどのように愛されてきたかを学ぶことができます。ヴィクトリア女王とアルバート王子が購入した時から現在までを旅して、城内の部屋が現在の国王陛下夫妻や他のロイヤルファミリーのメンバーにどのように使用されているのか見ることができます。バルモラルが、ロイヤルファミリーのハイランド地方の居城として愛され、讃えられてきた非常に特別な場所である理由が分かります」とウェブサイトでは説明している。 ツアーでは敷地内や庭、展覧会にもアクセスでき、チャールズ国王が描いたバルモラル城やハイグローブ（グロスターシャーにあるチャールズ国王の私邸）、サンドリンガム（ノーフォークにある国王の別邸）の水彩画も見ることができる。

故エリザベス女王、2022年

エリザベス女王は生前、バルモラル城を非常にお気に召しており、2022年9月8日にこのお城で崩御された。「おばあさまはあそこにいる時が一番幸せだと思う。ハイランド地方を心から愛しているのです」と、孫のユージェニー王女が女王が90歳を迎えた2016年のドキュメンタリー『Our Queen At Ninety（原題）』でコメントしていた。 ヘンリー王子は回想録『Spare』でバルモラル城について次のように書いている。 「目を閉じると、正面玄関やハメ板張りの正面の窓、広い玄関ポーチ、グレーと黒の小さな斑点が入った花崗岩の3段のステップがウィスキー色のオークの巨大な玄関ドアに続いていて、重たいカーリングの石を支えに置いて開けておくことや、赤いコートを着た従僕が立っていることがよくあったのが浮かんでくる」 また城内の各部屋には「それぞれ、腰をおろすとか読書する、TVを観る、お茶を飲む部屋など明確な目的があり、私がイカれた叔父たちのように愛していた給仕係用の特別な部屋も一室あった」と振り返っている。 ツアーのチケットは100ポンド（約19000円）で、アフタヌーンティー付きは150ポンド（約29000円）。