“曲がった線路”当時のまま 『民家も全部なくなって』 肥薩線復旧で復興の兆し~豪雨から4回目の夏・被災地の思い~熊本
熊本放送
球磨川流域を襲った2020年の豪雨災害から4年。復旧の現在地と住民の思いを、溜池記者がリポートします。 【写真を見る】“曲がった線路”当時のまま 『民家も全部なくなって』 肥薩線復旧で復興の兆し~豪雨から4回目の夏・被災地の思い~熊本 ■当時のまま“曲がった線路” 熊本県南部、球磨川(くまがわ)の河口・八代市(やつしろし)に向かいました。 球磨川と並行し山肌を縫うように走る国道219号。 記者「新萩原橋を渡った先では、通行止めの表示がなされています」 道路の復旧工事のため国道219号は、いまも住民と工事車両の通行に限定されています。国道と並行するJR肥薩線。大きく曲がった線路は当時のままです。 ■道の駅 坂本 人吉方面に進むと「道の駅坂本」があります。 駅長と物産館の館長をしている道野真人(みちの まさと)さん。道の駅が被災したため、復興商店街の仮設の建物で営業をしています。 道の駅周辺は、これから本格的な道路のかさ上げ工事が始まります。これに伴い、仮復旧した道の駅の物産館の解体が決まり、道野さんは先の見通しが立てづらいと話します。 駅長・物産館館長 道野真人さん「国道が通行止めなので、何かイベントを開催したり、『ここに来てください』とは発信しづらい状況です」 そんな中、少しでも賑わいを取り戻したいと、商店街では球磨川のアユを堪能できる店が今シーズンもオープンしました。 道野真人さん「なかなか逆算は難しいんですけど、少しずつ何か街が復興していくっていうところも情報発信し、そこに向けて話し合いをする場が必要かなと」 ■多くの家屋が水にのまれた神瀬地区 国道をさらに進むと、多くの家屋が被害に遭った球磨村神瀬(こうのせ)地区があります。神瀬の2つの集落には、55世帯が暮らしていましたが、その多くの家屋が水にのまれました。 そして、いま。 記者「球磨川からの洪水被害を防ぐため、神瀬地区では住宅を4mほど持ち上げ、かさ上げ作業をしています」 4年が経ち、ようやく住宅の再建が始まります。しかし…。 神瀬地区の住民「民家もいっぱいあったけど、もう全部なくなって」