“曲がった線路”当時のまま 『民家も全部なくなって』 肥薩線復旧で復興の兆し~豪雨から4回目の夏・被災地の思い~熊本
ふるさとに残ることを決めた住民は、いまも不安を隠せません。 神瀬地区の住民「だいぶ上に上がったけど、これで安心できる状態かといえばやっぱりそうでもない。この梅雨時期になると、今は雨が降っても怖いし、水がちょっとでも増えると、それも怖いです」 4年前の豪雨で、ふるさとの姿は一変しました。 顔なじみが住んでいた家や、月に一回通っていたという診療所もなくなり、被災前の集落の姿を忘れてしまいそうだと話します。 神瀬地区の住民「一所帯でも二所帯でも帰ってきてくれれば嬉しいんだけど、もう無理でしょうね」 復旧がなかなか進まない地域がある一方で、兆しが見えてきた地域もあります。 ■部分営業の再会・期待の星「SL人吉」 人吉市では、被災した多くの旅館が部分営業を再開しました。 人吉市商工観光課 山室義広係長「観客数の方も数値的には徐々にではあるが、回復傾向にはある」 そして、今年になってうれしいニュースも届きました。 記者「人吉駅の駐車場となっているスペースに、今年の秋ごろからSL人吉が展示される予定です」 インバウンドを含め、観光客を運んできてくれる肥薩線の復旧にも、多くの期待が集まっています。 人吉旅館女将 堀尾里美さん「肥薩線に対する思いはすごく大きいです。期待も大きいです。生かす方法を考えながら、どうやって運営するのかみんなで考えなくてはいけない」 復旧のスピードには地域間の差がありますが、その中で地域再生に向けた住民の期待や不安、まざまな思いを感じました。 記者:溜池陸人
熊本放送