朝ドラ「ブギウギ」主題歌や劇中舞の再現も…OSK日本歌劇団・楊琳&舞美りらサヨナラ公演開幕
OSK日本歌劇団「レビュー 春のおどり」が大阪松竹座で上演中だ(14日まで)。8月11日付で退団するトップスター・楊琳(やん・りん)と、娘役トップスター・舞美(まいみ)りらのサヨナラ公演。ともに「辞める、最後…という実感が湧かない」と、普段通り熱心に稽古を積んで臨んでいる。 今年は桜の開花が遅れ、初日(6日)直前につぼみがほころんだ。劇団歌「桜咲く国」にピッタリ。楊は「よくぞ待ってくれました! 引きの強さもOSKでしょうか? 私たちも桜に負けずに舞台上で満開に咲かなければ」と、OSK生誕劇場での絶好の“花道”を喜んだ。 和洋レビューの2本立て。和物の「春楊桜錦絵(ヤナギニハナ ハルノニシキエ)」では「佐渡おけさ」「河内音頭」など民謡の舞踊や殺陣で多彩に楽しませ、終幕の「櫻(さくら)よともに舞え」は楊が詞の原案を担当。「だから悲しまないで」「サヨナラはいわない」など、卒業らしいフレーズがちりばめられた。 楊は2007年入団の18年目。コロナ禍でエンタメ界全体が苦しんだ21年にトップになり、22年の劇団創立100周年を引っ張った。大変な時期を任されたが、初日終演後は「大向こう(掛け声)をかけていただいて、コロナも明けたのだなと思いました」と笑顔を見せた。 千咲(ちさき)えみとのダブル娘役トップの舞美は15年目での卒業。ダンスの達人として知られ、「春楊―」は2年ぶりの和物とあって「洋舞と両方できてこその劇団員。やはりOSKの強みはダンス。集大成をお見せしたい」と胸を張った。 スペイン語の「踊れ」3連発がタイトルの情熱的な洋舞「BAILA BAILA BAILA」では、OSKが再注目を集めた23年度後期NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の主題歌や劇中オリジナルの「胡蝶の舞」の再現や、OG・笠置シヅ子さんのヒットナンバーも歌い踊った。楊は「笠置さんの歌に対する熱い思いを見習わなければ」と襟を正した。 大阪公演後は京都・南座「レビューin Kyoto」(7月13~21日)、東京・新橋演舞場「レビュー 夏のおどり」(8月7~11日)と公演名を変え、残り4か月を駆け抜ける。(筒井 政也)
報知新聞社