旧優生保護法訴訟 最高裁が国に賠償命じる 除斥期間の適用「許されない」仙台高裁の判決を破棄
仙台放送
旧優生保護法の下、障がいのある人などに行われた強制不妊手術について、最高裁判所は憲法違反の判断を示し、国に賠償を命じる判決を言い渡しました。原告の訴えを退けた仙台高裁については判決を破棄し、審理のやり直しを命じました。 原告団は「歴史的な判決」と歓喜しました。 不妊手術を強いられた全国の原告の全面勝訴が実質、確定しました。 仙台で強制不妊手術を受けた原告 北三郎さん(仮名・81) 「きょうは最高です思いが伝わりました」 記者リポート 「全国初の提訴から6年、審理の場は最高裁に移されました。戦後最大の人権侵害と言われる強制不妊手術にどのような判断が下されるのか注目です」 旧優生保護法の下、障がいなどを理由に全国で1万6千人あまりが強制された不妊手術。長年被害を訴えてきた飯塚淳子さん(仮名)も最高裁の判決に臨みました。 原告 飯塚淳子さん(仮名・70代) 「いい判決であってほしいと思っています。国にきちんと謝罪と補償をしてほしい。二度と手術しないようにしてほしい」 仙台を含む全国5件の高裁判決は「憲法違反」。しかし、仙台の原告のみ、手術から20年で賠償を求められなくなる「除斥期間」が適用され敗訴していました。 7月3日、最高裁が示した統一判断は「旧優生保護法は憲法に違反する」「除斥期間の適用は信義誠実の原則に反して許されない」でした。 国の賠償責任を認めた判決に傍聴席からは…。 記者リポート 「閉廷後、法廷には拍手が鳴り響きました。原告の一人、飯塚淳子さんは他の原告と抱き合い固い握手をして喜びをかみしめていました」 原告 飯塚淳子さん(仮名・70代) 「判決もよかったと思っています。苦しい毎日、長い間苦しみながらここまで来ました。きょうは最高の日です」 原告 佐藤由美さん(仮名・60代)の義姉・路子さん(仮名) 「2連敗しているからこそ弁護団も頑張ってくれて、大法廷につながったからよかった。もし仙台で勝っていたら、きょうみたいな判決はいただかなかったと思う。本当にありがとうございました」 仙台高裁の判決は破棄され、今後、審理がやり直されることになります。
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