上田不在の1トップで小川航基は期待に応えられるか。東京五輪世代の元エースが示した覚悟「本当に長い時間がかかってしまったけど...」
様々な思いもエネルギーにして
一方で、今年1~2月のアジアカップの対戦時のように、インドネシアが前がかりで挑んでくる可能性も否定できない。前回のゲームでは、相手守備陣の背後にスペースが生まれ、堂安や伊東純也(S・ランス)が素早い動き出しからそこを突き、上田のゴールにつなげていた。そういう展開になれば、小川は前線でボールを待つターゲットマン的なプレーだけではなく、献身的なアップダウンも要求されてくるのだ。 ジャカルタの12日17時半の練習開始時の天候は曇りで、気温26・5度、湿度91%。相当な蒸し暑さだった。試合当日はスコールの可能性もあり、もっと過酷な環境を強いられるかもしれない。 ぬかるんだピッチ上で走力を発揮するのは大変なことだが、小川はそういう多彩な役割もこなし、絶対的エースになれる選手だということを示す必要がある。 もともと東京五輪世代のエースFWは彼だったが、ジュビロ磐田に在籍していた2018~21年にかけて足踏み状態を強いられたことで、上田の台頭を許し、後塵を拝する格好になっていた。長いビハインドを取り戻すのは今しかない。舞台は整ったと言えるのだ。 「僕自身、ここに来るまでに本当に長い時間がかかってしまったけど、この時間を取り戻すくらいの活躍をしないといけないと思っているので。自分の過去もしっかりと吸収して、次の試合に準備をしたいと思います」と本人も神妙な面持ちでコメントしていたが、様々な思いもエネルギーにして、まずはインドネシア戦でチームを勝たせるゴールを奪うこと。それが彼に託される最重要タスクと言っていい。 小川を軸とした新たな攻撃陣がどんなバリエーションを見せてくれるのか。そこに注目しつつ、インドネシア戦を慎重に見極めたいものである。 取材・文●元川悦子(フリーライター)
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