2024 NRF ビッグショーの参加者は約4万人に:小売企業が「包括的イベント」に感じるメリット
NRFビッグショー2024(全米小売業協会主催)が大きな盛り上がりを見せた。報道によれば、全世界から4万人近い参加者がこのイベントに集まった。これは、パンデミック前最後となる2020年1月にNRFが開催されたとき以来、最大規模の参加者数となる。 この4日間(2024年1月14~16日、オープニングパーティーは13日)のイベントは、ベンダーに強く特化しており、そのほとんどはオートメーション、ロジスティクス、ロボティクスなどのハイコンセプトなソリューションのいくつかを展示することを目的に参加している。SMB(中小企業)のエグゼクティブは通常、ほかの創設者や投資家とつながるため、より密接なカンファレンスの場を好むものの、NRFは包括的なイベントであり、新しい年の風潮を左右する。NRFのビッグショーに参加するメリットを、特定の議題なしに説明することは困難だ。 しかし業界アナリストは、小売企業もNRFに参加することで多くの利益を得ることができると語る。これは主に、最新のソフトウェアへのアップグレードを求めている大規模エンタープライズ小売企業に当てはまる。 コンサルタント企業PwCの小売リーダーであるケリー・ペダーセン氏は、展示されたテクノロジーの多くは必ずしもSMBブランド向けではないと語る。これは、小規模ブランドのほとんどはエンタープライズ用の技術に多額の投資を行う用意がないためだ。「今年の参加者数は記録的なため、皆間違いなく盛り上がっている」と同氏は述べ、自分自身もイベントの開始時に小売企業の紹介を行ったと付け加えた。
必要なものをすべて見つけられる最大のイベント
NRFがパンデミック後に復活を遂げるにつれ、この数年間でテーマが進化してきたと、ペダーセン氏は述べる。「人々が話す内容が変わってきたと思う。生成AIはそのひとつで、それ以外にフリクションレス・エクスペリエンス(摩擦のない体験)や、店舗レベルのロボティクスなどもある」と、同氏は話した。「NRFはこの数年間に、小売企業を結びつけるため良い仕事をしたし、業界団体としてうまく機能していると思う」。 一部のエグゼクティブは、全体的な空気がブランドを露出する機会の助けになっていると感じている。米モダンリテールと話した小売ブランドのエグゼクティブのひとりは、このイベントを利用して、以前の同僚と再びつながりを持ち、全体的な人脈作りをすることに期待していると語った。「セッションのためだけに来たわけではないが、この街に人々が集結しているあいだにミーティングを計画するというのはいい機会だ」と、エグゼクティブは語った。 フォレスター(Forrester)のバイスプレジデントとプリンシパルアナリストを務めるブレンダン・ウィッチャー氏は、小売企業やブランドがイベントに復帰するまで数年間を要したことに言及している。「たとえば、2022年の参加者はほとんどがベンダーだった」と同氏は述べ、それ以後に参加者の多様化が改善し、特に外国からの代表団が本格的に戻ってきたという。最新テクノロジーについて学ぶことに関心を持っている小売エグゼクティブ向けには、今でもNRFが、必要なものをすべて見つけられる最大のイベントだと同氏は述べる。「NRFに行かなければ、米国のすべてのベンダーカンファレンスに参加しなくてはいけなくなる。そんなことはできないだろう」。 全体として、今年のNRFのビッグショーはパンデミック前の水準に回復したと専門家は考えている。「NRFと密接に協力している大手のエンタープライズ小売企業に、このイベントでの体験について聞いてみれば、イベントの開催状況には大いに満足しているという答えが返ってくるだろう」と、ペダーセン氏は話した。 [原文:What retailers look to get out of events like NRF] Gabriela Barkho(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
編集部