明治大・高須大雅はカーブ復活で大躍進 「楽天の岸孝之選手みたいに...」変わらぬ理想像でブレなく成長中
中学時代には考えられないような成長ぶりなのではないか。そう尋ねると、高須は笑顔でこう答えた。 「中学の時は自分に自信がなくて、取材してもらえるほどのピッチャーじゃないと思っていましたから。高校、大学といい環境でやらせてもらったおかげで、今の自分がいるのかなと感じています」 今や大学日本代表として、中学時代に雲の上の存在だった伊藤と同じ「JAPAN」のユニホームに身を包んでいる。高須は「伊藤と同じところにいるなんて、あの時は想像もできませんでした」と感慨深そうに語った。 ただし、慢心はない。大学最高峰と言っていい明治大で、日々強烈な競争にさらされているからだ。高須は言う。 「明治は先輩も同期もみんなすごいピッチャーばかりですし、春のリーグで先発させてもらえたのも巡り合わせがよかっただけで、たまたまだと感じています。秋もこのままいけるとは思っていないので、もっと成長しないといけないと思います」 近未来の自分について、どんな理想像を描いているのか。そう尋ねると、高須はこう答えた。 「楽天の岸孝之選手みたいに、きれいで伸びる真っすぐを投げられればいいなと考えています。これからどこまで成長できるのかイメージはついていないんですけど、ドラフト1位でプロに入るのが今の目標です」 6年の歳月が経っても、高須の根源的な部分は変わっていなかった。だからこそ、肉体や感覚の変化が訪れても、高須は軸がブレることなく成長し続けたのだろう。 2025年のドラフト会議まで、あと1年あまり。高須大雅はどこまで大きな存在になっていくのだろうか。楽しみは膨らむばかりだ。
菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro