超多忙「宮藤官九郎」が書き下ろす「新作映画」とは テーマはパンク、監督はあの“個性派俳優”
パンク愛
「09年、田口は2作目となる『色即ぜねれいしょん』を監督するのですが、クドカンは脚本を書いたわけでもないのに出演していました。一方、この年に公開されたクドカン監督の映画『少年メリケンサック』には田口が出演していました。主演は宮崎あおい で80年代に活動していたパンクバンドを復活させるストーリーですが、その鍵を握っていたのがバンド『少年メリケンサック』のボーカル・田口の歌声でした」 ちなみに、少年メリケンサックのメンバーは、リーダー&ベースが佐藤浩市、ギターが木村祐一、ドラムが三宅弘城(※グループ魂でもドラム担当)、ボーカルが田口という豪華メンバーだった。田口はパンクボーカルになりきっていた。 「この時の歌声こそ、80年代に田口がボーカルを務めたパンクバンド・ばちかぶりそのものでした。また、クドカンも東京ロッカーズの一角であるフリクションの曲をラジオで流し、パンク愛を語ったことがありました。2人はまさにパンクで結ばれていたのです」 それにしても、新作は趣味丸出しの映画になるようだ。 「だからクドカンも受けることができたのかもしれません。田口も還暦を過ぎて、自分の好きなことをやりたいのでしょう」 とはいえ、《【出演料】1日1万円》は安くないか? 「抑えられるところはとことん抑えるつもりなのでしょう。最近は、昔はそこそこ活躍して名前が知られているのに、今は仕事がない役者も募集に応じることがあるようですし、田口作品でその後ブレイクする役者も少なくありません。15年公開、3作目の監督作『ピース オブ ケイク』には多部未華子、綾野剛、松坂桃李、木村文乃、菅田将暉、中村倫也、柄本佑らが出演していました。今では豪華すぎて組めないキャストかもしれません」 はたして、ヒットするだろうか。 「配給はまだ決まっていないようですが、クドカンの脚本ですから東映とかそこそこの会社がつくと思います。もっとも予算や規模から言って、興収に関してはあまり期待していないと思いますけど」 田口がナレーションを務める「新プロジェクトX~挑戦者たち~」(NHK)で舞台裏を放送すれば、話題になるかも。
デイリー新潮編集部
新潮社