全米女子オープン2勝目の大快挙!! 笹生優花のドライバースウィングをAIで分析
スウィング動画をAIによる3D解析技術でデータ化することができる、コーチ専用のゴルフスウィング解析アプリ「スポーツボックスAI」。このアプリを活用しているゴルフコーチ・北野達郎に2度目の全米女子オープン制覇を達成した笹生優花のドライバースウィングを解説してもらった。 【2018年動画】祝!全米女子オープン優勝!笹生優花の飛距離を支えるトレーニングに密着
みんなのゴルフダイジェストをご覧の皆様、こんにちは。SPORTSBOX AI・3Dスタッフコーチの北野達郎です。今回は米LPGAツアーのメジャートーナメント「全米女子オープン」で、メジャー2勝目の快挙を成し遂げた笹生優花選手のドライバーショットをスポーツボックスAIで分析しました。 笹生選手のスウィングを分析すると、 1.ストロンググリップでフェースを返さないフォロースルー(方向性) 2.軸を右足側に残してアッパーブローのインパクト(効率) 3.ヘッドスピードを加速させる骨盤の上下の動き(速度) この3点が特徴的でした。今回はその3点に方向性、効率、飛距離と、それぞれの動きに関連するワードも加えてみました。それでは早速スウィングを見てみましょう。
ストロンググリップでフェースを返さないフォロースルー(方向性)
まずグリップですが、特に左手をストロングで握るのが特徴的です。このグリップをする選手はフェースをなるべく返さないようにフォロースルーを取るのが特徴です。それを裏付けるデータをご紹介します。スポーツボックスのデータ項目「WRIST GAIN FACTOR」(以下リスト・ゲイン・ファクター)は、キネマティック・シークエンス(運動連鎖)を測る項目で、シャフトの回転速度÷左上腕の回転速度を表します。この項目を簡単にご説明しますと、この割り算の合計数値が高いほどリストターンが多く、低いほどリストターンが少ないことを表します。 笹生選手のリスト・ゲイン・ファクターは1.79で、LPGAツアーアベレージが2.0ですので、笹生選手はリストターンをあまり使わずフェースを返さないタイプの選手です。フォロースルーのP8ポジション(シャフトが地面と平行)は、おへそあたりの高さで迎えています。例えばもっとリストを使ってフェースターンする選手の場合は、P8がもっと低く早い位置で迎えてリスト・ゲイン・ファクターも数値が高くなります。あまり聞き慣れないワードではありますが、海外のレッスンでは「フェースターンでリストを使うタイプか否か?」を測る指標としてリスト・ゲイン・ファクターが活用されていますので、参考値の1つと捉えて下さい。