【ライブレポート】氷川きよし復帰後初ツアー大阪ライブ大盛況、TM NETWORK「SEVEN DAYS WAR」カバーも披露
氷川きよしが9月4、5日に復帰後初のコンサートツアー「KIYOSHI HIKAWA+KIINA.25th Anniversary Concert Tour~KIIZNA~」の大阪・フェスティバルホール公演を開催。2日間でのべ5200人のファンが集結し、ジャンルの枠を超えた計32曲を歌唱した。 【写真】白のタキシード姿で歌う氷川きよし 氷川は2022年末から歌手活動を休養していたが、今年8月17日に約1年8カ月ぶりに実施した東京・東京ガーデンシアターでの公演を皮切りに復帰し、コンサートツアーを行っている。大阪公演は客席に赤、黄、緑などさまざまな色のペンライトが揺れる中で始まった。氷川は黒のラメ入りスーツでステージに現れ、「KIINA.さーん!」「おかえり!」という大きな声援を浴びる。1曲目はKii名義で自身が作詞、木根尚登(TM NETWORK)が作曲を手がけた「WALK」。氷川は「先行きの見えない不安の中、ゆっくりでも迷ってもいいから、一緒に歩んでいこう」というメッセージを込めた歌詞を、観客1人ひとりを見つめるようにしながらじっくりと歌い、「今日は皆さんありがとうございます。思いっきり楽しんでください」と笑顔で語りかけた。 氷川は白の燕尾服に着替えてから「歌は我が命」を披露し、「待っていてくれるあなたがいる限り、私は歌い続ける」と再び音楽の道を歩む決意を歌で表現。さらに「星空の秋子」「甲州路」「大丈夫」「きよしのズンドコ節」といった人気曲の数々を、これまで歩んできた自身の道のりを振り返るように思いを込めて歌った。バンドによる「きよしのソーラン節」の演奏中、氷川きよし+KIINA.名義で感謝と決意を記したメッセージがスクリーンに映し出される場面もあった。また白と紫の紋付袴姿では「大井追っかけ音次郎」「箱根八里の半次郎」「三味線旅がらす」「白雲の城」などの演歌における代表作を披露し、観客からの喝采を浴びた。 ライブ後半には背中に「KIIZNA」とプリントされたダメージデニムのセットアップで登場した氷川は、1988年発表のTM NETWORKのヒット曲「SEVEN DAYS WAR」を熱唱。この日最初のトークコーナーでは「以前は、毎年大阪でコンサートを開催していました。大変ご無沙汰して申し訳ありません。これからまた新たな気持ちで歌って、皆さんに幸せな気分になっていただきたいと思っています」と述べた。続いて、氷川が作詞、木根が作曲を手がけたkii名義の「You are you」、Kiina名義の「Father」や、マンガ「テルマエ・ロマエ」の作者であるヤマザキマリが作詞した「生まれてきたら愛すればいい」などを情感豊かに歌い上げた。本編ラストの「あなたがいるから」では、氷川が「この曲だけ写真、動画撮影OKです! どんどん拡散してください!」と話し、ファンを喜ばせた。 アンコールでは白と黒のドレス&パンツスタイルで再びステージに上がった氷川は、湯川れい子が訳詞を担当したQueen「ボヘミアン・ラプソディ」のカバーを熱唱。「雷鳴」を歌い終えたあと、氷川は「長時間ありがとうございました。最高に気持ちよく歌わせていただきました」と改めて来場者に感謝を伝える。そして「KH」と記されたロゴ入りボールを客席に投げ込み、「キニシナイ」で客席に降りて、ハイタッチやハグをするなど、ファンとの交流を楽しんだ。さらに最新アルバム「氷川きよしリクエストベスト」におけるファン投票で1位を獲得した「限界突破×サバイバー」でこの日の盛り上がりがピークに。氷川は歌唱後に「あー、スカッとした(笑)」と満面の笑みを見せた。 ラストソングは「音楽のジャンルの枠を超えて、幅広い層の皆さんに共感していただけるような楽曲にしたい」という氷川の思いが込められた、GReeeeN(現GRe4N BOYZ)提供の「碧し」。氷川は歌唱中に感極まって涙し、ファンがエールを送った。また明日9月6日に誕生日を迎える氷川に、ファンとバンドメンバーからバースデーソングがプレゼントされた。氷川はこのサプライズにお礼の言葉を述べ、「またひとつ年を重ねます。これからも一生懸命がんばります!」と意気込んだ。開演から3時間、コンサートは大盛況のままに全演目が終了。氷川は「皆さん、今日は本当に最高でした。ますます幸せに、そして元気になられた皆さまと、またお会いできることを願っております。さようなら!」と挨拶し、ステージをあとにした。