鹿児島市長選争点 旧5町との合併から20年 地域格差は…
(70代)「グラウンドゴルフなど楽しみが遠くまで行かないとない。趣味ができない」 (80代)「目の前のことをよく言うけど、50年先のことを考えてから目の前のことをもっと深く考えた方がいい」 (池山泰正さん)「当事者としては厳しい状況の中でやむを得ない面もあった」 鹿児島市油須木町に住む池山泰正さん(84)です。旧郡山町長を1995年から2004年まで3期務めました。退任した2004年は鹿児島市と合併した年。郡山町、最後の町長です。 就任1年目だった1995年、町は事業費177億円の区画整理事業を開始。完了時期は2029年で、事業費の半分の5割が国の補助、2割を旧郡山町、残りの3割は合併後に鹿児島市の予算があてられます。 (池山泰正さん)「とにかく町時代にやれることは全部やるんだと、大型事業を実施するには助かった」 「当時、町長として合併に不安も抱えていた」と話す池山さん。財政面での恩恵は受けましたが、この20年で人口は2割減少。ふるさとの景色は変わってしまったと話します。 (池山泰正さん)「合併そのものがどういうものか、じかに理解していなかったと思う。田んぼとして活用されていたんですけど、今はこういう形で荒れ放題になっている。こういうところが郡山各地で見られる」 鹿児島市全体の耕作放棄地は昨年度1137ヘクタールでこの20年で倍に増えています。池山さんは以前に比べ、市政に住民の声が反映されづらくなったと感じています。 (池山泰正さん)「昔は気軽に役場に出向いて、顔見知りのみなさんばかりで、相談事もできていたけど、(住民の)生の声が行政に反映されづらくなるのは事実、周りの状況も少し配慮してほしい」 合併から20年、今後の対策について鹿児島市長選の候補者は… (桂田美智子候補(71) 無・新)「食料供給基地としての5町の存在、畑も田んぼもいっぱいある。若い人が希望を持って農業をやる、循環していく、まちの特徴を生かした取り組みが必要ではないかと思う」
(下鶴隆央候補(44) 無・現(1))「5地域の振興予算枠をつくることを約束し、実行に移してきました。これからも地域のみなさまとともに、それぞれの地域にまずはやってきてもらう、物を買ってもらう。交流人口を増やし、さらには住んでいただく。定住人口の増へとつなげる取り組みを強力に推進してまいりたい」 市民の生の声を聞き地域をどう活性化させるのか対応が求められています。
南日本放送