“2つの心臓を持つ男”カンテが予想外のEUROで鮮やかに復活。フランス代表の同僚たちも驚愕「とんでもないレベル」「伝説なんかじゃない。狂気の沙汰だ」【現地発コラム】
「あんな離れ業をやってのける選手を見たことがない!」
クラウディオ・ラニエリがレスター時代に伝播させた「2つの心臓を持つ男」という神話は、誰も予想していなかったEUROで蘇った。 スポーツとスペクタクルの境界線上にあるサッカーのアンビバレントな現実が、2種類のスターを生み出すとプロの世界に身を置いている人間は繰り返し述べる。それは「ジャーナリストの選手」と、「選手の選手」である。フランスのベテラン選手たちは、カンテがその後者に属する選手の中でもさらに神格化された存在であると主張することを躊躇わない。 一方、テュラムは、その偉大さを知らない若手がカンテに抱く戸惑いを代弁する。「合宿が始まったとき、クレールフォンテーヌ(フランスの年代別の代表チームの練習拠点)には3人のカンテがいるとすら思った。あんな離れ業をやってのける選手を見たことがない!とんでもないレベルだった。ミニゲームも意味をなさなかった。彼が味方なら、そのチームが勝利するも同然だったからね」 才能の塊で、謙虚さ、寛大さ、勇気、シャイさを覗かせながら、局面に応じてどこに動きどこに展開していくのかを瞬時に察知する直感力と、100分間、間断なくターンし、プレスバックし、相手ゴールに突進し続ける広い視野、フットワーク、パワーがこの小柄なミッドフィルダーを、エムバペが君臨するフランスの真の精神的リーダーに昇華させている。 オーストリア戦の後、ドレッシングルームで収められた動画には 、スタンディングオベーションで迎えられるカンテの姿を映し出している。「クレイジーだ!クレイジーだ!こんな光景は見たことがない!」とイブラヒマ・コナテが驚嘆すれば。ユスフ・フォファナは興奮気味にまくしたてた。 「俺の言うことをよく聞いてほしい。俺はこの目で見たんだ、伝説なんかじゃない。狂気の沙汰だ!」 文●ディエゴ・トーレス(エル・パイス紙) 翻訳●下村正幸 ※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
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