「ゼロ戦のプロペラ」県護国神社へ移設 予科練資料館の“戦争遺品” 12月8日から一般公開 大分
元特攻隊員が大分市に作った予科練資料館が今年8月に閉館しました。展示品は県護国神社で保管されることになり、11日最後の資料が運び出されました。 【写真を見る】「ゼロ戦のプロペラ」県護国神社へ移設 予科練資料館の“戦争遺品” 12月8日から一般公開 大分 30年以上にわたり戦争の歴史を伝えてきた予科練の碑。県護国神社に向けて11日運び出されました。 大分市上野にある予科練資料館は元特攻隊員の川野喜一さんが1988年に自宅に開館。多くの人が訪れましたが、後継者がいないため今年8月閉館しました。 石碑は予科練出身者らとともに建立されました。喜一さんは日々亡くなった戦友を悼み花を手向けていました。 (川野喜一さん・享年95)「お前は生き残って慰霊をしろという神のお告げだろうということで私も真剣にこれをやっている」 全国の遺族や戦友から集めた資料およそ3000点は10月から本格的に移送が始まりました。長男の孝康さんは3年前に亡くなった喜一さんの遺志を継ぎ、資料を大切に管理してきました。 (川野孝康さん)「ここで一つの区切りがついた。護国神社で展示と慰霊をしてくれるのでありがたい」 最後の搬出となったプロペラや予科練の碑。なかでも、生き延びた戦友らの思いがこもった石碑は建立当時の写真をもとに台と碑を切り離し慎重に運ばれました。 (川野孝康)さん「歴史の重さと戦友の重さと父の重さがあったことを感じました。父の思いをつなげていったという役目がやっと終わったかなと思います」 県護国神社では戦後80年に向けて「開戦の日」の12月8日から、移された予科練に関する資料や遺品などを展示することにしています。
大分放送