セレモニーでテープカットを行う富田社長（左から3人目）＝浜松市中央区湖東町のさわやか浜松西インター店

　「炭焼きレストランさわやか」を静岡県内に展開する「さわやか」（袋井市）は1日、浜松市中央区湖東町に浜松西インター店をオープンした。同社では初めて、従業員が料理をテーブルに運ぶ際に使う手押し式の配膳カートを導入した。働きやすい環境を整え、サービスの向上につなげる。 　席数や駐車場が少なく、老朽化が進んでいた浜松高丘店を9月中旬に閉店し、東名高速道浜松西インターチェンジに近い幹線道路沿いに出店した。県外から訪れる客が増え、「店によっては体感で半数以上」（富田玲社長）といい、アクセスの良い立地を選んだ。 　席数は高丘店の70席から76席に増加。駐車場は56台で今後、拡張を検討するという。店内は通路の幅を他の店舗より広げた。熱く重い鉄板に載せて提供する看板メニューの「おにぎりハンバーグ」や「げんこつハンバーグ」などを運びやすくするため、従業員の意見を踏まえて独自に開発した配膳カートを取り入れた。 　約150組が開店を待つ中、富田社長ら関係者がセレモニーでテープカットした。富田社長はあいさつで「かけがえのないレストランにしていく」と述べた。9月から一部店舗を除いて定休日（毎週木曜日）を導入したことに触れ、「さわやかが大切にしてきた人との触れ合いや、だんらんの場を提供し続けるには、働く人にも喜ばれなければ実現できない」と説明。1日から「おにぎりハンバーグ」を税込み1155円から1380円に値上げするなどの価格改定をしたことは「今までと同じ価値を提供し続けるため」と理解を求めた。 　前日午後3時ごろから開店を待ち、第1号来店者としてテープカットに参加した湖西市の男性会社員（49）は食事後、「さわやかは唯一無二のレストラン。ゆったりと楽しめた」と話した。 　さわやかは県内に34店舗を展開する。「人の記憶や心に残り、代々受け継いで訪れてくれるレストラン」（富田社長）を目指し、コロナ禍にデリバリーや持ち帰りなどのサービスは実施しなかった。今後も県内に出店拡大する方針で、配膳カートのほか、キッチン内の暑さ対策など従業員の負担を軽減する店づくりを進めるという。