よみがえる70年前の風景 米統治下の奄美、学者が撮影
米国統治下の奄美を調査し、早期復帰を提言した米シラキュース大のダグラス・ハーリング教授(故人)が約70年前、奄美の風景や暮らしを撮影した写真の巡回展が23日、鹿児島県奄美市で開かれ、英オックスフォード大のシャーロット・リントン博士(39)が講演し、ハーリング教授の業績を紹介した。 「ハーリングの写真と報告書は貴重。文化、野生生物、環境は奄美の宝として認識してほしい」などと語った。 リントン博士は2018年、伝統的な染色技術を調べるため、奄美大島を訪問、奄美の歴史や文化に興味を持つようになった。 その後、自身と同じ分野を専門としたハーリング教授の日記や大量の写真、映像がシラキュース大で保管されているのを見つけた。 19年に奄美を再訪。一部を持って行き、資料を基に、奄美大島でお年寄りらに話を聞き、地域社会の変容度合いを明らかにするプロジェクトを鹿児島大とオックスフォード大で立ち上げた。
写真の巡回展は来年4月まで、奄美群島の各島や鹿児島大で開催される。