トレード市場で菊池雄星を狙う? 山本由伸ら不在のド軍先発投手陣の窮状に番記者が持論「選手層の厚さは必要ではない」
今夏もメジャーリーグのトレード市場は活発化しそうな気配だ。 とりわけ小さくない動きを見せるだろうと注目を集めるのは、オフシーズンのFA市場でも話題を独占したドジャースである。ポストシーズン進出、さらには4年ぶりのワールドシリーズ制覇を目論む彼らは、チームの問題点に修正を施す可能性が小さくない。 【動画】自己最多13奪三振!菊池雄星が圧巻の奪三振ショーを見せる 攻守にタレントを擁するドジャースにあって、「懸念点」として挙げられるのが、開幕以降、故障離脱者が相次ぐ先発投手陣だ。 春先は順調に投げ進めていた山本由伸が右肩鍵盤痛で離脱。数少ない“頼みの綱”であったタイラー・グラスノーも腰の張りのために今月6日に故障者リストに入った。さらに肘の手術から復帰したウォーカー・ビューラーなど活躍の期待が大きかった投手陣が軒並み戦列を離れている。 手薄となりつつある先発投手陣の窮状。これをどう立て直すかは地区優勝争いが激化する中でドジャースのポイントとなる。地元紙の番記者からは補強を急ぐべきではないという声も上がっている。『Los Angeles Times』のジャック・ハリス記者は「先発ローテーションが再び懸念事項となっていることは明らかだ」とした上で「簡単な解決策はない」と指摘。山本やグラスノーの復帰を待ちながら、ギャビン・ストーンやランドン・ナックといった若手投手に経験を積ませるべきという持論を展開している。 ハリス記者が若手の成長を求めるのには理由もある。それはめぼしい投手がトレード市場にいないからである。 今夏のトレード市場の「目玉」とも言われているギャレット・クロシェ(ホワイトソックス)にドジャースは興味を示しているとされるが、トミー・ジョン手術から復帰したばかりの25歳の左腕は、今季の投球制限が迫っているという特殊な事情がある。そのため、ポストシーズンで活躍できるかが不透明。 さらに菊池雄星(ブルージェイズ)やエリック・フェッディ(ホワイトソックス)など実力派投手もいるが、ハリス記者は「選手層の厚さはドジャースにとって最も必要なことではない」と断言。そして、こう続けている。 「短期的に考えれば、ストーン、ナック、ジャスティン・ウォロブレスキーなどの若手投手に頼りながら、なんとかイニングを消化し、7ゲーム差をつけているナショナル・リーグ西地区の首位の座は維持できる。そして、ここにヤマモト、グラスノー、カーショウ、ビューラー、ミラーが復帰すれば、チームの選手層は安定するはずだ」 仮に菊池がトレードでドジャース入りを果たせば、日本のファンにとっては興味深い契約となるが、果たしてどうなるか。 いずれにしても、ドジャースの動静が今夏のトレード市場に影響をもたらすのは間違いなさそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]