お金に余裕がなくて投資もごくわずかです。「月100円の投資」「500円貯金」に、意味はあるでしょうか?
2024年から始まった新NISAが注目され、投資に興味を持つ人は増えました。しかしお金に余裕がなく、大きな投資ができない人にとっては、「月100円の投資」をすることに意味があるのでしょうか。また、「500円貯金」ではお金は貯まるのでしょうか。 本記事で、少額の貯金や投資が将来にどのような影響を与えるのか、一見すると微々たるものに思えるこの取り組みの意義について考えてみましょう。
少額投資は初心者におすすめ
従来、資産運用は「中高年向け」や「高額な初期費用が必要」といったイメージが強かったですが、少額投資の登場により若い世代でも気軽に資産運用を始められるようになりました。近年話題となった「老後2000万円問題」により、将来に向けた資産運用を検討する人が増え、少額から始められる「新NISA」や「iDeCo」といった投資方法が注目されています。 少額投資はまとまったお金を用意する必要がないため、初心者でも気軽に始められます。例えば、100円から購入できる投資商品もあり、口座を開設して取引の準備が整えば、すぐにでも始めることができるのです。 また、少額投資は損失のリスクも抑えやすいです。投資初心者にとって、世界情勢や市場の動向、企業の業績などにより影響される価格変動リスクを予測するのは難しいですが、少額投資をしながら、運用に慣れていくとよいでしょう。 また、少額投資は一口あたりの金額が小さいため、複数の商品に分散投資しやすいというメリットもあります。分散投資は、複数の商品に資金を分けて投資することでリスクを分散させる手法です。 特定の商品に集中投資すると、その商品の価格が下落した際に大きな損失が発生しますが、複数の商品に投資していれば損失をカバーできる場合があります。
新しいNISAを活用
令和6年(2024年)から始まった新しいNISAには、「つみたて投資枠」(年間120万円)と「成長投資枠」(年間240万円)の2つの枠があり、1つの口座でこれらを併用できます。 投資の非課税保有限度額は、生涯で1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)までです。この非課税保有限度額(総枠1800万円)は取得価額で管理されており、売却した分は翌年以降に再利用が可能です。 ■NISAで月100円投資シミュレーション NISAでは、金融機関によっては毎月100円から投資することが可能です。しかし、そのような少額投資が意味を持つのかどうかは、投資期間や想定される利回りによります。 例えば、毎月100円を投資し年率3%の利回りを得られると仮定した場合、以下のような資産が築けるというシミュレーション結果があります。 図表1