マスク氏、オープンAI訴訟被告にMS追加 反トラスト法違反主張
米実業家のイーロン・マスク氏は14日、生成人工知能(AI)「チャットGPT」を運営するオープンAIに対する訴訟で、同社に出資するマイクロソフト(MS)を被告に追加した。ライバル企業を排除してAI市場を独占したとして、反トラスト法(独占禁止法)違反と主張している。 MSはオープンAIに累計で約130億ドル(約2兆円)出資し、同社のAI技術を自社製品に組み込むことで利益をあげている。 マスク氏は修正した訴状で、オープンAIが市場から資金調達する際に、ライバル企業へ出資しないよう要請したのは違法と主張。MSとオープンAIがタッグを組み、AI市場を不当に独占していると批判した。両社間のライセンス契約の無効化や損害賠償などを求めている。 マスク氏は2023年7月、AI開発の新興企業「エックスAI」を設立。修正訴状では、不当に損害を受けたとしてエックスAIを原告に加えた。 マスク氏は今年2月、公益目的との設立趣旨に反し営利企業に転じたとしてオープンAIを提訴。6月にいったん訴訟を取り下げ、8月に再提訴していた。 マスク氏はオープンAIの設立当初から経営に携わってきたが、路線対立で18年に取締役を離脱。チャットGPTで成功したオープンAIを批判している。大統領選で支援したトランプ次期政権に食い込んでおり、米政府の新たなAI戦略で影響力を示す可能性がある。【ワシントン大久保渉】