プロが選ぶ「声が良い」男性アイドルNo.1は?(5)断トツで若手トップ…専門家が絶賛する七色の声の持ち主
男性は目で恋をし、女性は耳で恋をする―。英国の作家ウッドロー・ワイアットが遺した格言だ。この言葉の真偽は分からないが、“いい声”がアイドルにとって重要な資質であることは間違いないだろう。そこで今回は声の専門家に「最高のイケボを持つ男性アイドル」について伺った。第5回。※事前に編集部が選出した30名の中から5名選出していただきました。(取材・文:編集部)
佐野勇斗(M!LK)
―――朝の連続ドラマ小説『おむすび』(NHK総合)に高校球児の四ツ木翔也役で出演されている佐野勇斗さんです。 「佐野さんは、今回の5人の中でも断トツでした。帯域がとても広くて、俳優としても良い声をお持ちだと思います。あと、声がしっかり聞こえているという点もかなりのアドバンテージですね」 ―――ちなみに佐野さんは、ドラマ『マイダイアリー』(テレビ朝日系)でギフテッドの役も演じられています。高校球児から知的な役まで演じられる佐野さんの演技の幅は、声によるものなのでしょうか。 「佐野さんの場合、声そのものよりは、顔全体の表情筋の使い方が演技の幅を支えていると思います」 ―――表情筋、ですか。 「はい。顔全体の表情筋を使いこなせると、声のトーンの使い分けが比較的容易にできるようになるんですよ。 特に最近は、若い方でもコロナ禍のマスク生活もあって、顔の下半分しか動かない方が多いのですが、佐野さんは顔全体の表情金をしっかりと使えている印象です。表情訓練をしっかりされている証拠ですね」 ―――表情訓練とはなんでしょうか。 「音に合わせて表情をコロコロと変える訓練ですね。この訓練を行うと、表情と声をリンクできるようになるので、必修科目にしている事務所もあるようです。 ただ、芸能人のようにわざわざ表情訓練をしなくても、口角を上げて笑うことを心掛けるだけでかなり違います」 ―――やっぱり笑顔が重要なんですね。 「はい。口角を挙げて笑うと、口角の周りにある口角挙筋が盛り上がります。一方、口角が上がっていないと口角挙筋が垂れ下がってしまい、べちゃっとした話し方になってしまうんですね。 加えて、口角挙筋が垂れ下がってしまうと、ほうれい線がくっきり見えてしまって、老け顔の原因になります」 ―――見た目が若い方は声も若いということですね。 「はい。星野源さんとかもそうですよね。声もフレッシュですが、見た目もどちらかというと童顔で若々しい。 佐野さんも、声と外見が若いままお歳を召されていくと思います」 ―――声も筋肉も全てつながっているということですね。ありがとうございました。 【日本美声チューニング協会 三浦人美会長 プロフィール】 発声解剖学をベースにした声を出しやすい身体に整える美声チューニング®を提唱。20代はバンドのボーカルとして芸能事務所へ所属。年間300本のライブをこなし歌い続けた経験の中で発声・姿勢・呼吸等、身体のアプローチから声を変えていく手法を実践。バンド活動の終了後は、講師として稼働をスタート。人前で声を扱うことが多い企業代表や芸能事務所所属のアーティストレッスンまで延べ3,000人以上の方を指導する。
編集部