奨学金を借りて大学に進学しましたが「多額の借金がある」と思うと将来が不安です。今から「少しずつ返済」して不安を減らしたいです。
この春、奨学金を活用して大学に進学した方もいるでしょう。将来に向かって夢がふくらむ一方、奨学金を借りたことで「借金」という言葉に不安を感じているかもしれません。「このままで大丈夫なのか? 」と悩む日もあるかもしれません。 今回は、そんな方に向けて、奨学金の返還がいつから始まるのか、貸与中に少しずつ返還できるのか、そして返還が困難になった場合の対応について紹介します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
奨学金はいつから返還が始まる?
通常、貸与終了月の翌月から数えて7ヶ月後に、口座振替による返還が始まります。3月満期貸与終了者の場合、貸与が終了する6ヶ月前(10月頃)に、学校から、返済についての「貸与奨学金返還確認票」、「返済のてびき」、「口座振替加入申請書」が配布されます。 この書類を受け取ったら、所定の期限までに、申込書を金融機関に提出して、口座振替の手続きを完了させなければなりません。これにより、決められた返済期間が始まり、毎月の返済が口座から自動的に行われます。
奨学金は貸与中に少しずつ返還できる?
奨学金には、「第一種奨学金」と「第二種奨学金」の2種類があります。第一種奨学金では、平均貸与総額は「約216万円」、返済にかかる平均期間は「約14年」です。第二種奨学金の場合、平均貸与総額は「約337万円」、返済にかかる平均期間は「約17年」となっています。 これほど長い期間、返済を続けなければならないと考えると、多くの方が不安を感じるのも無理はありません。 第一種奨学金の奨学生として採用された方は、申込時に「定額返還方式」または「所得連動返還方式」のいずれかを選択します。第二種奨学金については、「定額返還方式」のみとなり、貸与終了の翌月から「据置期間利息」という利息が発生します。そこでこの利息を少なくするために、貸与中でも返済を始めることが可能な「繰上げ返済」を活用することが可能です。 「第一種奨学金」と「第二種奨学金」どちらの場合でも、まだ返済の期限が来ていない分を前倒しで返済できます。奨学金の繰上げ返済は、原則として貸与終了の翌月から行えます。ただし、3月に貸与が終了する方については、その3月中に繰上げ返還が可能です。 繰り上げ返済には、「返済月額軽減型」と「返済期間短縮型」の2種類があります。 【返済月額軽減型】 繰り上げ返済をすると、その後の毎月の返済額が少なくなります。 【返済期間短縮型】 繰り上げ返済をしても毎月の返済額は変わりませんが、返済が終わるまでの期間が短くなります。 日本学生支援機構の奨学金で繰上げ返済をすると、「返済期間短縮型」が適用されます。つまり、毎月の返済額はそのままで、返済期間が短くなるということです。 なお、奨学金の申請から貸与終了までは、在籍する学校が手続きを担当しますが、返済期間中は、奨学生本人と日本学生支援機構が直接やり取りを行います。そのため、繰り上げ返済を希望する場合は、本人が手続きを進める必要があります。