パリ五輪を振り返った鈴木桂治監督

　柔道男子日本代表の鈴木桂治監督が17日、宮迫博之のYoutubeチャンネルにゲスト出演。パリ五輪での不可解判定や、「柔道」と「JUDO」の違いについて私見を述べた。 　鈴木監督は、パリ五輪で不可解判定が相次いだことに触れ、まずは審判について「五輪選手の代表選考も審判員もランキング付けされてるんですよ。世界中の審判員がいろんな大会の審判をして『この審判はうまいな』と加算されていって、その中で選ばれた人たちが審判になっている」と現状を説明した。 　その上で「『はじめまして』という人は（審判に）いないわけですよ。よく見る審判です、全員。『うわぁ～こいつだったか』っていう時もあります。相性というか。『この人ちょっと日本に厳しいんだよな…』ていうのもあります。『ずっと日本には厳しいジャッジするな…』という人もいます。『日本にちょっと優しいな』という人もいます」と本音を漏らした。 　柔道男子60キロ級準々決勝では、永山竜樹が「待て」の後に絞め落とされ、フランシスコ・ガルリゴス（スペイン）一本負けを喫した。この試合の様子について「（審判は）3回くらい言ってるんですよ、『待て』って。（永山が）締め続けられて失神しているところをパッと見て『失神してる…一本！』みたいになっちゃってた」と振り返る。 　この判定については「『おかしいだろ、それは』って僕らは言ったんですけど（審判は）『落ちてたよね』って。ギリギリでも我慢できるんですよ、締めって。でも『待てになった』って気抜いた瞬間に落ちちゃう場合もあるんで、そういう事を分かってないのか、間違いを認めたくないのかってことですね」と苦言を呈した。 　また、外国人選手による〝柔道〟らしからぬ技が散見されたことについては「外国人選手が柔道の技を変化させ続けてるんですよね。考えている、勝つことに対して。日本人の考え方というのは、組んで胸を張って技に入るっていう日本柔道をリスペクトし続けてるんですけど、外国人の柔道はルール内で勝てばいいということで、我々が考えないようなことをやってくるんですよ。そうなると、日本人は『あんなの知ってる柔道じゃない』ってなるんですけど、そこは向こうを認めるべきだと思います」と謙虚にコメント。 「今までは『外国人が日本に修行に来る』みたいなイメージだったんですけど、僕らが外国に行ってJUDOを知るってことをしていかないと。試合上であたって『何だこれ？』は通用しないので」「漢字の〝柔道〟も横文字の〝JUDO〟も僕は全く関係ないので、『そんな話はどうでもいいわ』というぐらいなので。お互いをリスペクトしあって認め合えば、見えてくるものもたくさんあるんじゃないかな」と自身の考えを述べた。