楫野弘和大田市長（左）に国際コンテストの受賞作を報告する宮脇さん（島根県大田市で）

　出身地の島根県大田市を拠点に活動するウェディングフォトグラファー、宮脇洸太さん（35）が、躍動感あるペンギンと、成人式の前撮りで着物姿の女性3人を捉えた作品でそれぞれ、国際写真コンテスト「Cosmos　Awards」の1位と3位に輝いた。結婚式以外の作品を出品したのは初めてという。今後も様々なジャンルでの撮影を通じ、高みを目指している。（佐藤祐理）

三瓶山の麓にたたずむ「星降る森の写真館」（島根県大田市で）

　宮脇さんは、夜空にかかる天の川と新郎新婦を一枚に収めた作品など、ウェディングフォトで数々の賞を受賞している。7月、三瓶山の麓にある浮布池の前に、山小屋風のスタジオ「星降る森の写真館」（大田市三瓶町）を開設した。

　「Cosmos――」の受賞作は7月に発表され、県立しまね海洋館アクアス（浜田、江津市）のペンギンが泳ぐ様子を捉えた「遊泳飛行」（野生生物・動物部門1位）と、大田市の国重要文化財「熊谷家住宅」で、成人式を前に華やかな着物姿の3人を収めた無題の一枚（ポートレート・家族部門3位）。遊泳飛行は別の国際コンテスト「Asia　WPA」でも1位に選ばれた。

　遊泳飛行は今年3月、通路の小窓から勢いよく泳ぐペンギンの一瞬を捉えようと、ピントを事前に合わせつつ約1時間構えたという。受賞作の発表前には、合成と見間違えた審査員がいたほどの躍動感が評価され、宮脇さんは「一番速いシャッタースピードで、カメラの限界に挑んだ」と振り返る。

　成人式の一枚は、保護者からの依頼を受けて昨年12月に撮影した。着物姿の3人を和室の手前と奥に配置し、それぞれ着物の支度をしたり、読書や習字をしたりする様子を収めた。「三者三様、物語性があり、良かった」との評価を受けた。

　宮脇さんは「今後は家族の一員であるペットや、動物分野にも力を入れていきたい。日々の撮影を通じて技術を高めていきたい」と意気込んでいる。