7月3日に新紙幣発行、券売機の交換「間に合ってほっとした」…キャッシュレス移行の店も
東京・大手町のラーメン店「銀座 篝(かがり)」は、新紙幣発行に伴いキャッシュレス決済一本にした。店長は「売り上げの集計が短縮化できるし、外国人観光客も利用しやすいようだ」と語る。明治大の飯田泰之教授(経済政策)は「新紙幣発行を機に決済手段の基本が現金からキャッシュレスに逆転する可能性がある」と話している。
「3Dホログラム」など高度な偽造対策
新紙幣には、肖像が3次元に回転して見える「3Dホログラム」を世界で初めて採用したほか、「すかし」にも高精細な模様を入れるなど高度な偽造対策が施されている。額面の数字を大きく表示し、触れると紙幣の種類が識別できるユニバーサルデザインも導入した。
新紙幣発行に便乗し、これまでの紙幣をだまし取る詐欺行為には注意が必要だ。
警視庁は27日、東京都内の80~90歳代の男女4人が3月以降、金融機関職員を装った人物から「古い紙幣は使えなくなるので交換する必要がある」などとうその電話を受け、現金計約1500万円をだまし取られたと発表した。財務省によると、現行紙幣のほか、「聖徳太子」の1万円札など発行されていない旧紙幣18種類もこれまで同様に使用できる。警視庁幹部は「不審な電話には注意してほしい」と呼びかけている。