新NISAで買える投信(8)、「グロース」と「バリュー」の使い方と見分け方
新NISAの「成長投資枠」の対象銘柄で、国内大型株を投資対象として「グロース」に分類される投資信託の代表である「情報エレクトロニクスファンド」と、「バリュー」に分類される「ニュー配当利回り株オープン」のパフォーマンスを比較すると、過去1年、5年、10年で「情報エレクトロニクスファンド」が優位にあるものの、過去3年では「ニュー配当利回り株オープン」が優位という結果になっている。長期のパフォーマンスでの「グロース」の優位さが際立っているが、この2年~3年の日本株相場のように「バリュー」が活躍する相場もある。「グロース」と「バリュー」は、その成績が良い時と悪い時に違いがあるため、その性格の違いを活かして、好景気で「グロース株が活躍しやすい」、あるいは、「株式市場に調整が必要な局面なので、バリュー株ファンドで投資リスクを抑制する」など、局面に応じた使い分けをしたい。
一般的に「グロース」が活躍しやすい局面は、景気が良く、企業業績が伸ばしやすい環境だ。「バリュー」は、常にチャンスがある投資手法だが、割安な水準で購入した株式について、その割安さに多くの投資家が気づいて水準訂正されるのを待つ必要がある。このため、「グロース」が注目されやすい局面では、動きの鈍さが嫌われることがある。また、それぞれに企業価値を正しく把握する能力、また、企業の成長戦略についてしっかりとした見通しを立てられる能力が問われるため、運用会社の調査力が問われる。投資する場合は、パフォーマンスの内容については、長期の実績を確認するようにしたい。
ただ、実際には「グロース」か「バリュー」かを見極めるのは難しいケースもある。投資信託の名前に「グロース」や「バリュー」と入っていればわかりやすいのだが、そうではないケースは、ウエルスアドバイザーの公式サイトでは、国内株式を対象とした投資信託の場合は、カテゴリーで「大型グロース」「中型バリュー」など「グロース」と「バリュー」をカテゴライズしている。「カテゴリ―」を手掛かりに、投資信託を選ぶことも1つの方法だ。(グラフは、成長投資枠の代表的な日本株「グロース」と「バリュー」ファンドのパフォーマンス推移)
ウエルスアドバイザー